5月21日

あらかじめ挫折したものとしての連載性


ふと気がつくと5月も下旬になっている。 REMAPのこの企画で考えたことは、戦後の空間・地図の議論を民族誌という観点から追いながら通 観することで、バウムガルテンとモリスの後にダニエル・ビュラン、ロバート・スミッソン、ACT UP、リクレーム・ザ・ストリートなどについて書くつもりだったのにもはや終わらないことがはっきりしてしまった。とほほ、である。まだモリスに入ったばかりだもんなあ。 まあ、最初から読めていたことではあるけど。戦争があったしなあ。 ということで、このところ何をしていたかというと、反戦運動の一環として今ぼくが属しているGoldsmithで写 真家の森住卓さんの写真展Children of the Gulf Warの組織の手伝いと、少しREMAPみたいなワークショップを今週の金曜日にやるので準備をしたりしていた。ほかはブリクストンにある198ギャラリーというところでフィールドワークをやっていてインタビューをとったり、なんだかんだで日が過ぎていく。モリス関係の論文をちらちら読むだけで結構一日たってしまい、なかなか先に進めない。そもそも、いまさらロバート・モリスについて何か書くことがあるのかなどと最初に考えるべき疑問が頭にうかんだりもする。 もともと考えていたのは記述するというプロセスを日記のように見せるということなので、もちろんその日その日に読んだ資料を全部見せていけばいいのだけど、どうにもやっぱりまとめる習慣があるので、そうもいかない。ただPHAIDONからシリーズででているジェームズ・メイヤー編の『ミニマリズム』は、結局図書館で別 々に集めていた論考がほとんど巻末に一挙に集められていて便利といえば便利だし、その前に使っていた手間と苦労を考えたら少し腹が立つ。でも一方でこれをもとに書くといろいろばかにされるのかなあ、などと思ったりもする。リーダー(教科書)文化は侮れない。結構、複雑な気分。 ということで、今日は言い訳である。明日からモリスに戻る。たぶん。