囲いの形の違い
ところで、何故、居飛車の囲いには「矢倉」が
そして、振り飛車の囲いには「美濃」が多いのでしょうか
それは、将棋の歴史は長い間、居飛車が多く指されていた為と考えられます
囲いの多くは、居飛車を相手にする事を想定されて、作られているのです
では、何故、居飛車を相手にすると、「矢倉」や「美濃」になるのでしょうか
まずは、下の図を見てください
香 | 桂 | 銀 | 金 | 玉 | 金 | 銀 | 桂 | 香 |
飛 | 角 | |||||||
歩 | 歩 | 歩 | 歩 | 歩 | 歩 | 歩 | 歩 | 歩 |
歩 | 歩 | 歩 | 歩 | 歩 | 歩 | 歩 | 歩 | 歩 |
角 | 飛 | |||||||
香 | 桂 | 銀 | 金 | 玉 | 金 | 銀 | 桂 | 香 |
色違いのマスが、相手の攻めの主役である「飛車」「角」に
狙われている地点だと考えられます
では、これを踏まえて、まずはこちらも居飛車に組んでみましょう
下の図は、居飛車対居飛車の途中図の例です
香 | 桂 | 玉 | 桂 | 香 | ||||
飛 | 銀 | 金 | 銀 | 金 | 角 | |||
歩 | 歩 | 歩 | 歩 | 歩 | 歩 | |||
歩 | 歩 | |||||||
歩 | ||||||||
歩 | 歩 | 歩 | ||||||
歩 | 歩 | 銀 | 金 | 銀 | 歩 | 歩 | 歩 | 歩 |
玉 | 金 | 角 | 飛 | |||||
香 | 桂 | 桂 | 香 |
居飛車の場合、玉は多くの場合左に囲う事になりますが
そうなると、必然的に、飛車と角の利き筋に入っていくことになります
そこで、両方から玉を守る為に、右上に向かって囲うのが
好形になるというわけです
上の図では、飛車の守りに、玉、金、銀
角の守りに、金、銀、銀と
それぞれ、3枚ずつ守りに利いているので
簡単な攻めでは、そうそう破られる事はないでしょう
では、振り飛車の場合はどうでしょう
振り飛車の場合は、飛車が左辺にいるので
今度は、玉は右側に囲う事になります
下の図は、振り飛車対居飛車の途中図です
香 | 桂 | 金 | 桂 | 香 | ||||
飛 | 銀 | 金 | 銀 | 玉 | 角 | |||
歩 | 歩 | 歩 | 歩 | |||||
歩 | 歩 | 歩 | 歩 | |||||
歩 | ||||||||
歩 | 歩 | 歩 | ||||||
歩 | 歩 | 角 | 歩 | 歩 | 歩 | 歩 | ||
銀 | 飛 | 金 | 銀 | 玉 | ||||
香 | 桂 | 金 | 桂 | 香 |
今度はこちらの玉が相手の飛車、角の利き筋にいない為
横に強い囲いを作るのが、良いという事になります
というのも、相手の飛車がこちらの陣に入ってきてしまった場合
必然的に、横の戦いになるからです
ただ、なんとなく、この形という事で組むのではなく
なぜ、その形が良いかという意味を考えながら使うと
より一層、囲いの使い方がうまくなるでしょう