建築家 三沢浩 連続セミナー 第10回が開催されました
10回連続のセミナーもいよいよ最終回。テーマは「ハイテク、ローテク、コマーシャリズムの建築界」です。

 ポンピドゥ・センター、ロイズ、香港上海銀行をまず最初にあげて、ハイテク建築がフォスター、ヴィニオリ等現在一線で活躍している「インターナショナル・アーキテクト」達の手によって次々と世界中に建てられている状況を述べられました。そして、その彼らよりずっと前にハイテク建築と呼べる建築をつくっていながら様式建築にあこがれを持ち続け、自分の工場建築は建築ではないとまで語ったアルバート・カーンについても。

 「ジャン・ヌーベルはローテクである」というところからローテク建築の説明に入りました。前衛的であったり、民族的であったり、居場所をつくることであったりとローテク建築の範囲は非常に幅広いものであると感じました。先生はローテク建築の例として、ラルフ・アースキン、ルシアン・クロール、ハンス・ホラインをあげていました。

 1970〜80年代活躍したジョン・ポートマンの不動産建築が20年で飽きられてしまったと話からユーロ・ディズニーに至る一連のディズニーの建築を述べた後は現在最も活躍しているゲーリー、ジャーディ両者の話。ディズニー・コンサートホールの度重なる延期の裏話を交えつつ、最後のスライドは予定にはなかったユダヤ博物館とホロコーストミュージアム。「商業建築で本セミナーを終わらせたくなかった」という先生の一言が心に染みる最後のスライドでした。
 

Ginger and Fred
(F・O・ゲーリー)


ホロコーストミュージアム

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