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(新建ちばNo.175より抜粋)
伝統工法による木造2階建の住宅構造見学会 報告

■設計者:さんむフォレスト 稗田忠弘氏  ■見学場所:成東町 U邸

 山武杉を使った家づくりに取り組んでいるさんむフォレスト稗田氏設計の住宅の構造見学会は、連休前に一日だけ飛び石になった4月29日みどりの日開催されました。

外観 ゆるやかにむくりのついた切妻の屋根上に、二つの越屋根。おおらかでどっしりした外観はまさしく現代に造る民家。ちなみに外壁は山武杉板を鎧張りにするそうです。越屋根にはルーバーで開閉する窓がついており、家全体の通気と、薪ストーブによる熱の流れを助けるとの事。
 
 
 
←自然豊かな敷地。道路を入って正面から

 

どっしりとした山武杉の梁 接合部に金物を一切使わない架構は、なるほど全体にすっきりしています。耐力壁は筋交いではなく構造用合板。柱と土台の仕口は、柱のほぞを半分蟻に加工し、入れて寄せて込み栓という仕口。接合部には大工さんの腕の必要な工夫が多くなされていました。またどっしりとした山武杉の梁。せいが尺のものがぐるりと回り、太い通しの丸柱が吹抜けのリビングに力強く突き抜けています。
 
 
 
 
 
 
 
和室構造 床には厚さ40の杉板を使い、下に30ミリの通気層をとって床下の断熱材はなし。ネコ土台はゴムパッキンを使わず、厚さ50のヒノキ。市販の厚さ20のものでは、通気が不足ではないか…とのこと。また、シロアリが嫌う銅網を使いネズミ除けにする…など、様々な工夫を見ることができました。
 
 
 
←リビングから和室をみる

 

 見学場所から九十九里浜まで7KM程。天気は快晴で風もあたたかいおだやかな休日。東京湾には多くのサーファーたちが波間を漂っていました。 
 
どっしりとした山武杉の梁 (報告 足立)

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