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工務店からCMへ

 父が工務店を経営していたため子供のころからずっと住宅造りを手伝ってきました。大学も卒業して都内の建設会社へ現場監督として勤務、時が経ち一番仕事がしたい時期に建設不況。建設費の叩き合いにも飽き何をしたらよいか迷っているときにCM(コンストラクトマネジメント)に出会いました。
 自分が理解しているところでは、「建築工事の一括請負を止め各専門業者へお施主が直接発注する」ことと大まかに理解しています。
そのCMを設計事務所として実践しているわけですが、結構面白い。設計事務所がお施主と設計・現場管理(監理ではない)契約をして設計業務、予算業務、業者の段取り発注、及び現場管理をする。用は、既存の設計事務所に現場監督をしろと言うことになる。現場管理については、RC、鉄骨、木造、リフォーム色々とこれまでの経験が何かと役立つ、設計業務だが建設会社時代いくつか設計業務にも就いたので業務自体にはあまり支障はない。(問題はセンス、自分ではわからないが、素材を大事にすること、建物が丈夫である事、使いやすいことを主に考え自分の第六感を大事にしています。)

CMの利点
建築費用の透明性
工事をそれぞれの専門工事業者から直接見積を取り、孫請けやひ孫請け等の経費が掛かることをしないで工事金額を取り極めるので工事費が、どこに何を使ったのかお施主がわかる。
設計・施工管理
設計と管理が同じなので統一した考え方で設計管理している。そして工事の請負とは独立しているので客観的に判断して工事を進めることができる。(欠陥工事はダメ)
工事費用の低減
工事費が結構抑えられること。これは、余計な経費、利益を必要としないからだと考えている。しかし最近は、これもあれも設備を付けて、それでいてこの値段でと言われる事がある。
 CMにすれば何が何でも安くなると思っているお施主が多くなり時々悩みます。(あくまでも結果的に安くなっているだけで、最初から建物の費用を安くすることを保証する物ではないことを)
建物の基本仕様は、自然素材を豊富に使い、耐震性を高め、高断熱をしているので費用の掛かる所には掛かっているので、建売住宅よりは、それは高くなっている。しかし同じ仕様で建てた場合、比較して安くなっているということです。
家を建てる方は、一括請負の工事方式で施工するより手間が掛かりますが、《それ以上に建物への満足感がある》とよく、お施主から言われます。CMでの設計も5件目に入りこれから増えていく建て方だと思います。そして、もっと知って頂くよう努力したいと思います。
(小山和孝)

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