経済学者を笑っちゃえ!
島岡 光一訳

以下のジョーク集はフィンランドのJokEc(ジョーケックと発音するのか、ジョクエックと発音するのか不明)というホームページ(日本のミラーサイトはここ)から、ぼくが厳選したものだ。JokEcとは「経済学者・経済学に関するジョーク集」の略だ。ぼくが厳選といった基準は第1にぼくに理解できたこと。第2にぼくが面白いと思ったこと。第3にあまりにも専門的すぎないこと。要するに得手勝手に日本語の訳をつけてみたに過ぎない。著作権の問題でなにか言ってきたら、さっさと謝って翻訳を中止するだけだ。そもそもJokEcのホームページのどこにもフィードバックの場所が見当たらないという一点で、著作権を主張しないだろうから、気にしないことにする。いろいろ探してみると実はこの編集者名はフィンランド語で書いてあり、文字化けして正確には読み取れないが、英文の説明によるとフィンランド銀行勤務とある。そしてフィードバック用のe-mailアドレスはなんとそのフィンランド銀行そのものなのだ。フィンランド銀行と言えば、日本ではあの日銀さまさまさまだ。お札の裏側に写真が載っていたくらいだ。へへーとひれ伏すのが当たり前。ところがそこがこのジョーク集の編集を公認しているわけだ。ぼくはそのフィンランド銀行に日本語への翻訳権を申請している。返事がこないと思うが・・・やっちまぇ。

日銀マンよ。いかが思し召すか?

経済学者に関するジョークには、現代のオーソドックスな経済学に対する豊かな警句が含まれている。なめてはいかん。

なお、和訳の良さ(そんなものは皆無)も悪さ・誤りもすべてぼくに帰する。


その1 ワートン大学で聞いた話

舎道を歩いていた男があった。一人の羊飼いと巨大な羊の群れと出会った。羊飼いに言った。「ぼくは賭けをしたい。君の群れの羊の数を正確に当てるとぼくが一頭いただく。外れたら100ドル払うよ」。かの羊飼いは考えた。羊の群れはでかいから、賭けてもいいべぇ、と。男は「973頭」と言った。それはぴったしだったから羊飼いは驚いてしまった。で、言った。「いいべぇよ。おらは約束を守る男だ。一頭持っていくだ」。男は一頭抱き上げ行こうとした。

「ちょっくら」とかの羊飼いは叫んだ。「おらにおあいこの機会をくんろ。おらがだんなのお仕事をぴったし当てたらば、倍かチャラにしねぇか?」

男は「むろんいいとも」と言った。「だんなは政府のシンクタンクの経済学者だ」とかの羊飼いは言った。「驚いたな。まさにその通りだよ。だが教えてくれ、どうしてそういうことがわかったのか?」と男は答えた。

かの羊飼いは言った。「そんだなぁ。まんず、おらの犬を下に下ろしてくんろ、それから話をすべぇ」


その2 数学者と会計士、経済学者が同じ職業に応募すると

接官が数学者を呼んで尋ねた。「2たす2はいくつ?」。かの数学者は答えた。「4です」。面接官は「ほんとに4なの?」と尋ねた。数学者は面接官の顔を信じられないように見つめて言った。「えぇ。絶対に4です」。

次に面接官は会計士を呼んで同じ質問をした。「2たす2はいくつ?」。会計士は「平均的に言うとですね、4です。まあプラマイ10%の誤差がありますが、平均的には4になります」。

続いて面接官は経済学者を呼んで同じ質問をした。「2たす2はいくつ?」。経済学者は起立をして、ドアに鍵をかけ、びしっと閉じてから、面接官の側に座り、言った。「あなたはどういう数をお望みですか?」


その3 経済学を勉強するわけのトップテン

1.経済学者は、「おれたちの見えざる手に気をつけろ」などと武装しているやばい連中だから

2.経済学者はその言葉を需要に応じて供給することができるから

3.万人がびた一文も儲からないのに、金について語るようになれるから

4.真顔で「飼い葉桶」の理論をぶち上げることができるようになるから

5.ミック・ジャガーもアーノルド・シュワルツェネッガーも経済学を勉強したが、結果どれだけ稼いだか一目瞭然

6.君が失業線上にあるとき、少なくとも君はなぜこんなところにいるのかわかるようになるから

7.「ケイザイガク」(ECONOMICS)という文字を分解すれば、「経済が苦」(COMIC NOSE=おかしな鼻)となるから

8.倫理学の先生は徳とはそれ自身の報酬であると教えるのに、経済学では報酬とはそれ自身の徳であると教えられるようになるから

9.酔ったら、目下限界効用逓減の法則を吟味しているところであるなどと万人にほざくことができるから

10.君が1900LUV−ECONに電話をかけ、カンディ・ケインズが出てきたら、君は何か一言言いたくなるようになるだろうから

(上記の訳文は愚息島岡りをの校閲を受けた)


フィンランド銀行のパシ・クオッパマキ氏から翻訳OKのメール届く

(要旨)

1998年8月3日

拝啓島岡光一殿
わたしは夏休みから戻ってきてちょっと慌てているところです。
ありがとう。あなたがジョーク集に興味を持っていただいて。
親切な反応があることはいつもいいことです。
貴方の質問にたいしては、ジョーク集のコピーをしたいとか翻 訳をしたいという要請に同じフォームでお答えしてきました。 つい一ヶ月前もイタリア語に翻訳したいという方がいらしゃっ て、お返事を差し上げたものをここで繰り返させていただきま す。
「いくつかのジョーク集をイタリア語に翻訳したいという貴方 のご意志に当惑いたします。実際問題として、ジョーク集のほ とんど半分を含むスペイン語のWWWページがわたしの『許可 なく』実在しているからです。もっともそのページは原ジョー ク集に直接リンクを貼ってありますが。他の言語にもいくつか のジョークが含んでいるページがあります。
したがいまして、あなたの企画(いくつかを翻訳すること、せ いぜい少なくともジョーク集の半分まで)にたいして、わたし 喜んで承認いたします。ただし、あなたが原典を鮮明に明らかにし、かつわたしとの交渉なしにジョーク集から商業的な利 益を得ないよう努められること。と言うのはまさにわたしはジ ョーク集を非商業的(とるにたりないチップのようなものを除 けば)に保持してまいりましたし、わたしはジョーク集に対し ていくつかの権利を確保したいと思っているからです。
わたしはこの種のものを翻訳されようとする仕事は大変なもの と思います。私自身この種のものをフィンランド語に翻訳する 時間もエネルギーも欠いております。そこで再び、すべてのフ ィンランドの経済学者は英語でジョーク集を読むことができま す。わたしたちはほとんど教科書や他の素材を英語で使用して いるからです。」
あなたに興味を示していただいて再びありがとう。そしてあな たのご努力についてお知らせ願えれば。 敬具 パシ・クオッパマキ Pasi Kuoppamaki

(これにたいしてぼくは謝意を述べた後、ぼくの翻訳の URLをメールで送ったら、直ちに返事が来た)
1998年8月4日
情報をありがとう。日本語に文盲なので当然のことながらまった く読むことができませんが、よさそうに見えます。ページを眺め ているとあなたは原典にリンクを貼っておられることが分かりま した。それこそわたしが望んでいる主要な部分です。わたしはいつかさまざまな翻訳のリンク集を作らねばなどど考えています。 そのうちあなたのものが最上のものの一つとなるでしょう。
あなたのお仕事と生活に最高の祈りを
パシPasi


その4 経済学または経済学者の定義

★計画立案者とは、剣もピストル(いずれも男性のシンボルを想起する――島岡)ももっていない優しい男(紳士を意味するgentlemanと同じ発音する――島岡)である。彼は優れて優しく歩く。というのは彼の玉は水晶だからである。

★経済学者とは、経済に関して誤って予測して金をもらっている凄腕のプロであり、計量経済学者とは経済に関して誤って予測するためにコンピュータを使っている。

★ベントリーの経済学の第2法則:経済学者より危険な唯一のものはアマチュア経済学者である。

政策分析者とは弁護士と同様十分不道徳であり、神学者と同様十 分非実践的であり、経済学者と同様十分衒学的な何者かである。

経済学とはきわめて荘厳なものになっているために、われわれは (経済学者)みんな死後硬直に陥っている。(おそらくはケネス ・ボールディングの言葉)

3人の計量経済学者が狩猟に出かけたときに、大きな鹿に出っく わした。最初の計量経済学者が発砲したら、左へ1mそらしてし まった。2番目の計量経済学者が発砲したら、右へ1mそらして しまた。3番目の計量経済学者は発砲もしないのに、バンザイを叫んで 言った。「おれたちはやった。ついに討ち取った」

数学者、理論経済学者、計量経済学者の3人が、電気を消した密 室のなかで(実際には居ない)黒猫を見つけることを要求された。 数学者は、真っ暗な部屋の中で居もしない黒猫を見つけようと して狂ってしまったので精神病院に入院してしまった。 理論経済学者は、真っ暗な部屋の中で居もしない黒猫を捕まえること ができなかったが、部屋から胸を張って出てきて宣言をする。おれは、 おれの行動のすべての運動を最高の正確さを持って一定のモデル化する ことができると。 計量経済学者は、慎重に真っ暗な部屋に歩いて入って、居もしない黒 猫を探すのに一時間を費やし、部屋の中から叫んだ。おれは黒猫の首根 っこを押えたぞと。

もしも経済学者がみんな折り重なって倒れていたとすると、それは 数学の乱交パーティをやったからだろう。

ディナー・パーティに出席者リストを作成するとき、25%以上の 経済学者を招くと会話が崩壊する。

経済学とは自明なことのための苦痛に満ちた労作である。

経済学者とは自分が何をしゃべってんだか分らず、その分らないこ とを相手のせいにする連中である。

経済学者とビジネスマンとの違いは何か?前者は地に足がついてい ない。後者は地に足がついているのだが、4本足でついている。

経済学者とは、あらゆる物の価格を知っているが、あらゆる物の価 値を知らない者のことである。

経済学者と言うものは、自分の善きことに対しては鋭敏だが、誰か 他人の善きことに対してはひどく鈍い人間のことである。

問:神様はどうして経済学者を創造なさったのですか?  答:天気予報官を良く見せるためさ。

問:経済学者は何をする人ですか?

答:短期的にはたくさんのことを、長期的には何にもしない者である。

経済学者にとっては、現実の生活は一つの特殊な場合に過ぎない。

わたしは女性経済学者に電話番号を尋ねたところ・・・そしたら彼女はある概算値を言った。

経済学者たちは過去の5つの不景気から9つの不景気を予測してきた。

計量経済学とは、証明されていない仮定からあらかじめ決定された 結論に向かって曲線を引く技術である。

問:どうして天文学が発明されたんですか?

答:その結果経済学が厳密科学になることができたんだよ。(これって案外真実かもしれない――島岡)

ある経済学者が生命の意味について聞かれた。彼が答えて曰く。 「それはパラメーターの値に依存する」と。

経済学者とは、会計士になるための十分なる人格を持たなかった者である。

経済学者とは、愛し合う100の方法を知っているが、女か男か一人も知らない者のことである。

経済学は経済学者の雇用の形態として極度に有効である。

問:金融論専攻と経済学専攻との違いは何ですか?

答:機会費用である。

経済学者の第一法則:すべての経済学者にとって、正反両方の経済 学者が存在する。 経済学者の第二法則:両者はいずれも間違っている。

経済学者とは、昨日予測したことが今日起こらなかったのはなぜか を明日知るだろうような専門家である。(ローレンス・J・ピータ ー)

経済学の研究が通常明らかにすることは、なにか物を買う最善の時 は去年であるということである。

二つの種類の(経済)予報家がいる。一つは知らないもの。もう一 つは知らないことを知らないもの(ジョン・ケネス・ガルブレイス)

実際的な人間とは・・・通常誰か死亡した経済学者の奴隷である。(ジョン・メイナード・ケインズ)

数学と経済学との違いは何ですか? 数学は理解不可能、他方経済学は単に意味をなさない。



しばらくこのページの連載を中断しておりましたが、パシ・クオッパマキ氏から、電子クリスマス・カードをいただいて励まされたので、再開します。1999年1月10日――島岡 光一


その5 他の社会科学のノーベル賞がないわけ

ノーベル賞経済学者、シカゴ学派の指導者であるジョージ・シュティグラーが、他の社会科学(社会学、心理学、歴史学など)にノーベル賞がないのはなぜだろうか、と問われたことがある。シュティグラ―は言った。「ご心配にはおよびません。かれらはすでに文学でノーベル賞をもらっっていますよ。」(これはシュティグラ―の思いあがりというものだろう――島岡)


その6 上っ面なヤツら

ある経済学者が大きな湖の岸に立って、投げ釣りをやっていた。真冬で湖が完全に凍っていたが、経済学者はおかまいなしにやっているように見えた。彼は辛抱強く氷の上に立ってルアを投げつづけていた。

そこへ数理経済学者がアイス・ボートに乗ってやってきて、投げ釣りをやっている経済学者の側の岸に留めて笑って言った。「そんなんじゃ、魚一匹釣れやしないよ。ぼくのアイス・ボートに乗りなよ。そして引き網釣りに切り替えろよ」


その7 計量だけしてやった気になる

3人の計量経済学者が狩猟に出て、大きな鹿に出っくわした。最初の計量経済学者が発砲したが、左に一メートル外してしまった。2番目の計量経済学者が発砲したが、これまた右へ一メートル外してしまった。3番目の計量経済学者は発砲せずに、バンザイを叫んだ。「やったぁ。討ち取った」


その8 黒猫と誠実・いいかげん・うそつき

数学者、理論経済学者、計量経済学者の3人が電気を消した密室の中で(実際にはいない)黒猫を見つけろと要求された。

数学者は真っ暗な部屋の中で居もしない黒猫を見つけようとして狂ってしまって、しまいには精神病院に入院してしまう。

理論経済学者は、真っ暗な部屋の中で居もしない黒猫を捕まえることができないが、部屋から胸を張って出てきて宣言する。おれはおれのなしたすべての運動を最高の精度をもって一つのモデルに再現できる、と。

計量経済学者は慎重に真っ暗な部屋に歩き入り、居もしない黒猫を探すの一時間費やし、部屋の中から叫ぶ。おれは黒猫の首根っこを押さえたぞ、と。


その9 フランス大革命はついさっき

進化経済学者のいる職場での会話。

フランス大革命は世界経済成長にどのような影響を及ぼしたんだろうね?

それを言うにはまだ早すぎるんじゃない?


その10 エレベータが上がってこない

ハーバート大学のある構内で、かの有名な経済学者ケン・アローとともにエレベーターを待っていた。全部で3つあるエレベータだが、すべて我々をパスして地下に行ってしまった。わたし(カート・モナシュという人)は愚かにもアローに尋ねたものだ。「地下の連中はどうして上に上がろうとしないんでしょうね?」彼はほとんど即座に答えた。「君は需要と供給を混同しとるよ」


その11 自分たちもやっている

二人の経済学者が道を歩いていた。そのとき二人の女性がアパートの窓から互いに道を挟んで論争していることに気づいた。

一人が断定した。あの二人の意見は一致しないな。

連れの経済学者は訊いた。どうしそんなことが分かるのかい?

なぜって、もちろん、あの二人は異なった前提のもとで議論しているからだよ。


その12 牛と豚も逃げ出す

土木工学者と化学者、それに経済学者とが田舎を旅している。疲れたので、彼らはとある小さな田舎の宿に泊まることにする。そこの宿の主人が言う。「てまえどもは2部屋しか用意していません。ですから、お客様のうちお一人様は納屋でお休みいただかなければなりません」。土木工学者は自ら納屋で寝ることを買って出て外に出て行き、他はベッドに入る。しばらくするとノックでその二人は起こされる。それは土木工学者であって、こう言う。「あの納屋には牛が居るんだ。ぼくはヒンズー教徒だから、聖なる動物の隣に寝るなんて、ぼくの信仰が許さないんだ」と。化学者が言う。「よし、ぼくが納屋で寝てやろう」と。他の二人はペッドにもどるが、まもなく再びノックがして起こされる。それは化学者で、こう言う。「あの納屋には豚が居る。ぼくはユダヤ教徒だから、穢れた動物の隣で眠ることはできないんだ」と。そういうわけで経済学者が納屋に追いやられるはめになる。夜もふける。その二人はとても疲れていたので、間もなく眠りに落ちてしまう。しかし、彼らはもっとやかましいノックで叩き起こされる。その二人がドアを明けて、そこに見たものに驚く。それは牛と豚なのである。


その13 旅なれた人々

3人の経済学者と3人の数学者と汽車で旅行に出かけた。旅の前に、数学者たちは3枚の切符を買ったのだが、経済学者の方はたった一枚しか買わなかった。数学者たちはウヒウヒ笑って、彼らの愚かな仲間たちは罰金を払わされるだろうと思った。しかしながら、車掌が彼らの車室に近づいてきた時、3人の経済学者はみんなもっとも近くにあるトイレに行った。車掌は誰かがトイレに行ったことに気づいて、そのドアをノックした。これに応じて一枚の切符を持った片手を車掌は見た。彼はそれを検札しただけなので経済学者たちは2/3の切符代を節約したことになった。

翌日、数学者たちは同じ戦略、すなわち3人で一枚の切符を買うという戦略を採用しようと決心をした。ところが経済学者たちはまったくもって一枚も切符を買わなかった!数学者たちは車掌を見たとき、トイレに隠れた。彼らがノックの音を聞いたとき、一枚の切符を手渡した。彼らはその切符を戻してもらえなかった。なぜかって?経済学者たちがそれを持ち去って、他のトイレの中に入ったからである。


その14 何もわかっていない人々

経済学者の一団がアルプス登山をしていた。数時間後彼らは道に迷って途方にくれていた。そのうちの一人がしばらく地図をひっくり返したり、里程標を測定したり、方位磁石を確かめたりして研究して、最後に太陽を見た。ついに彼は言った。

「わかった。あそこの大きな山を見ろよ」

他のメンバーはすがるようにして熱心に返事した。

「うん、うん」

「さあてと。この地図によれば、われわれはあの山の頂上に立っているんだよ」


その15 アインシュタインと経済学者のIQ

アルバート・アインシュタインが死んだとき、かれは天国の門の外の行列で、3人のニュージーランド人と会った。ほんの挨拶代わりに、彼は「あなたがたのIQはどのくらいですか?」と尋ねた。第1のニュージーランド人が190と答えた。「すばらしい」とアインシュタインが叫んだ。「われわれはアーネスト・ルサーフォードによって研究された原子物理学とわたしの一般相対性理論への貢献について議論することができますね」。2番目のヒトは150と答えた。アインシュタインは「けっこう。わたしは世界平和を求めてニュージーランドの核廃絶の法制度の意義について議論するのを楽しみにしていますよ」と言った。3番目のニュージーランド人はもぐもぐと50と言った。アインシュタインはちょっと間を置いて尋ねた。「それでは、来年の予算の赤字はいくらぐらいと予想しますか?」


その16 経済学者よりあほ

二人の男が係留気球で空を飛んでいる。風の具合が悪く、コースから離れ、彼らはどこにいるのか分らなくなる。だから地上20メートルの所に降りてきて、その辺にうろついている人に尋ねる。

「すみませんがぁ、ここはどこでしょうかぁー」

「あなた方はー、気球の中にいますよぉー」

そこで一方のパイロットが他方のパイロットに向かって言う。

「あの答えは完璧に正しい。同時にまったくもって無益だ。あいつは経済学者にちがいない」

それを聞いた地上の男が答える。

「それではあなた方はきっとビジネスマンでしょう」

「そのとおり!どうしてわかったんですか?」

「あなた方が、そんなに見とおしのいい所にいるというのに、ここがどこだか分らないんですから」


その17 女子学生から頼られた経済学教授

ある年配の経済学教授が、大学のプールの浅い方の端に立っている。ある女子学生は深い方の端に立っていて写真を撮っている。彼女はいきなりカメラをプールの中に取り落とす。それから彼女はその教授に自分の所へ来るよう頼む。彼が行くと彼女は彼にカメラを取ってきてくれと頼む。彼は了解し飛び込みそれを回収する。

帰ってくるとすぐに教授は彼女に尋ねる。「どうして君はカメラの回収をぼくに頼んだのかね。君の近くには、若く体育会系の男性が大勢いるじゃないか」。

彼女は答えた。「先生、お忘れのようですね。わたしは先生の経済学Aの授業をとっているんです。それで思っていたんですが、先生ほどの方は他にいらっしゃらないなと。あんなに深く潜水し、長時間底に留まり、しかも上がっていらっしゃるときにはぜんぜん濡れていらっしゃらないんですもの」


その18 市場経済学者どうしのあてこすり

市場理論の学会での話。メインの報告者は高名な経済学者である。自分自身ひょうきん者とちょっと自負している所がある司会者が言う。

「私の著名な同僚であり友人をご紹介申し上げます。彼は経済学者であり、かつ乱数を数学的法則に変換することができるような類の人物の一人であります」と。

その経済学者は負けずに言い返した。

「ありがとう、チャーリー。ここにいる私の友人は商売上手です。なにしろ彼はその過程を逆転するのですから」


その19 経済学者は何のプロか?

経済学者は、経済のことで間違った予測をして稼いでいる手練れのプロである。計量経済学者は、経済のことで間違った予測をコンピュータを用いて稼いでいる手練れのプロである。


その20 おしゃべりは安いわけ

おしゃべりは安い。なぜなら供給が需要を超過しているから。


その21 経済評論家の定義

経済政策評論家は、法律家と同様あるいはそれ以上に倫理に反しており、神学者と同様あるいはそれ以上に現実から遊離しており、経済学者と同様あるいはそれ以上に知ったかぶりを好む、動物である。


その22 自己矛盾

経済は経済を度外視して実践しなくてはならない。


その23 輪廻転生

ポール・クルーグマンが自著の中で書いている逸話。あるインド生まれの経済学者が大学院生の授業で輪廻転生についてこう言った。「もし諸君が善い、有徳の経済学者ならば、来世では物理学者に生まれ変わるだろう。もし諸君が悪い、悪徳の経済学者ならば、来世では社会学者に生まれ変わるだろう」と。(訳者=しまおか註:このインド生まれの経済学者は物理学が最高の科学であり、社会学が最低の科学であると思っている非科学者なのである)

その24 共通点

質問:経済学者とコンピュータとの共通点は?
答え:両方に情報のパンチをくれてやらなければならないことさ。

その25 季節調整

経済学者が自分ちのプールに飛び込んで首の骨を折ったって知ってた?
やつは、自分のプールの季節調整をするのを忘れたんだよ。


その26 電球交換に関するジョーク集―長いから根性を入れて読んでね

やっぱり止める。欧米では電球交換に関するネタがとても多い。電球交換はどんなBAKAでもほぼ一瞬でできるが、さりとて電気がビリビリとくるので注意を要するものとして、日本語ではいわゆる「バカちょん」の類の用語なのだ。それと各種経済学(者)<保守派経済学、新古典派経済学、マルクス経済学、トロツキー経済学、ケインズ経済学等々)の無能さ・無責任さをリンクさせて、ジョークを構成している。どうも言語文化の違いがあって、中には可笑しいものもあるが、全体としてうんざりしたり、オチの先が読めちゃったりするので、とり止めにする。―しまおか

その27 長年経済学を教えて長年研究しなかった経済学者―おら、耳が痛いだ=しまおか

ある日、一人の男が有名大学の中央図書館に入って、参考係の司書に尋ねた。「最新の経済学の本があるかね?」「はい、ございますとも」と司書は答えて、ある棚の方向を指さした。二人とも驚いたことに、その棚には最新の経済学の本が貸し出し中で一冊もないことがわかった。
その男は言った。「わかった。じゃあ、他の図書館を当ってみよう。なにしろぼくは忙しい男でね、経済学と経済の研究のために今週末をやっと空けているんだ」
司書は近所の研究図書館を教えて上げたが、興味がそそられたので尋ねた。「先生はどうしてそんなに経済学と経済の研究を急ぐ必要があるんですか?」
その男は答えた。「ぼくは経済学者なんだ。この大学でこの10年間教育をしてきた。月曜日に企業研究会で、この10年間の経済の変化について話さなければならないのだよ」

その28 経済学者は盲目

ある日、一人の女性が近所を散歩に出たとき、数匹の生れたばかりの子犬を抱いた少年に出会った。「子犬一匹いかがですか?でも生れたばかりですから、まだもらわれるには早すぎます。あと2,3週間後にお届けできると思います」
「まあ、かわいい!なんという種類なの?」
経済学者という種です」
「じゃあ、主人に聞いてみるわね」
そこで、その女性は家に帰って夫にそのことを言うと、男はその子犬を見たいと思った。およそ1週間後、男はその少年に出会った。子犬たちはもう元気いっぱいに動き回っていた。
「おじさん。子犬一匹いかがですか?」
「ぼくの妻が先週君に会ったと思うよ。これは何という種類の犬かね?」
「ああ、これは評論家という種です」
「君は先週、これは経済学者という犬だって言ったじゃないか」
「はい。でも、その時はこの犬たちは眼がまだ見えなかったからです。」

その29 神戸大学にて

新しい定理が発表され議論が巻き起こった。
イギリス人が言った。この定理はなにか経験にもとづくものだろうか?
ドイツ人が言った。この定理はなにか他の定理にもとづくものだろうか?
フランス人が言った。この定理はフランス語に訳せるものだろうか?
日本人が言った。その先生は有名?
(最後の日本人の反応は真実に近い。事実ある著名な哲学者が教え子の卒論指導の際に、「君。二流所の人物を相手にしてはいけないよ」と「指導」していたのを見たことがある―しまおか)

その30 数を数えられない

経済学者には3種類ある。数を数えられる経済学者と数を数えられない経済学者とである。
(正直言って、ぼくはこの文を読んだときどこが面白いのか分らなかった。そのうちにわかった!この手のジョークは好きだな―しまおか)

その31 どこが違う?

経済学者とアルツハイマー病でぐでんぐでんに酔っぱらったようになっている老人とどこが違うかって?経済学者はアルツハイマー病の代りに計算病にかかっているところだけさ。

その32 経済学者の話は眠くなる

二人の官庁経済学者が出張から帰路についていた。すべての官庁経済学者について同様なのだが、飛行機の一番安い座席、つまり通路をはさんで両脇の真ん中の席がそれぞれに割り当てられた。二人は経済学上のやっかいな問題について離陸の時や食事の時も、片時も休まずに議論をしていた。ついに、通路側の乗客の一人が申し出た。「あなたがたがもっと議論ができるように、またわたしが眠れるように、席を交換しませんか?」と。席交換の後に、一人の経済学者が相棒に囁いた。「え?おい。驚いたなあ。経済学者の議論に目を覚まして聞いていた最初の例だぜ、こりゃ」。

その33 糞食らえ(あの〜申し上げておきますが見出しは原英文にはまったくありません―しまおか)

ベテラン経済学者と新米経済学者が道を歩いていた。道のど真ん中に糞が落ちていた。ベテラン経済学者が新米経済学者に向かって言った。「きみがあの糞を食ったら2万ドルあげよう」と。
新米経済学者はさっそく彼の最適問題にとり組んだ。そして彼はそれを食うとリッチになると計算し、食ってお金をゲットした。
同じ道を歩いていくと、また糞が落ちていた。そこで新米経済学者はベテラン経済学者に向かって言った。「こんどはぼくの方から先生にいいます。あの糞をお食べになったら2万ドルさしあげます」と。ベテラン経済学者はその評価計算をしたのちに、糞を食ってお金をゲットした。
二人はさらに歩いていった。新米経済学者が考え始めた。そして口をきいた。「ねえ先生。わたしたち二人は以前と同じ金額のお金しかもっていません。なのに、あの糞を食っただけで、どうもわたしたちはリッチになったとは思えないんですが」
ベテラン経済学者が言った。「うむ。きみの言うことは正しい。だがきみは重要な点を見逃してしておるな。われわれはすでに4万ドルの取引をなしとげたっていうことを」。

その34 価値と価格

「経済学者とは価格についてはよく知っているが、価値については何も知らない種族である」
この命題は次の実際にありうる話によって証明される。
一人の男と女とが喫茶店で出会った。
男が女に尋ねた。
「奥様。よろしかったら100万ドルでわたしと寝ませんか?」
「え〜、よろしいですわよ」
「では、奥様。100ドルではいかがでしょう?」
「まあ。あなたはわたしをそんな人間だと思っていらっしゃるの?」
「奥様。わたしたちはまさにそのことを立証したのです。つまりですね。わたしたちは価格についてだけ交渉したと言うことなんですよ」
ロス・エンメットによれば、この話はジョージ・バーナードショーによって作られたものであり、この男と女とはウィンストン・チャーチルとアストア伯爵夫人であり、この事件は実際に起きたものであるという噂が流れている。
(この話はどこがジョークなのか?価値と価格とは何ら関係ないのに、女が怒っていて、男は経済学者を当てこすっているということがジョークなのか?それとも、実在した著名人を次々出して、伝聞の伝聞のそのまた伝聞であるとしたことがジョークなのか、ぼくにはよく分らないが、どことなく可笑しい―しまおか)