アメリカ最大の大衆紙 US TODAY 5月19日より。
翻訳 しまおか こういち

 (訳者より。デニス・J・クシニチという名は日本ではほとんど知られていません。アメリカ大統領選挙のブッシュの対立候補にケリーばかりが取り上げられるからです。しかし、クシニチを忘れてはいけないと思います。彼はアメリカの真の民主主義者=良心だと思うからです。メイン州、コロラド州、アラスカ州およびオレゴン州などで計25人の選挙人を勝ち取りつつあります。しかし、クシニチはケリーのようにお金持ちではありません。人々の零細なカンパによって大統領選を闘っています。ぼくはクシニチがコロラド州でも善戦していることに、個人的に嬉しく思っています。コロラド州にはぼくの伯父・叔母が明治の頃から住んでいたし、ぼく自身滞在したことがあり、さらに偶然ぼくの尊敬する女性作曲家(クラシック)であり親友のアニー・ダマーレストが在住している土地だからです。その縁でコロラド州をくまなく車で旅をしたのでとくに親しみをもつ土地でもあります。もし、アメリカの有権者のお友達がいましたら、このクシニチのことを知らせてやって下さい。アメリカの法によって、外国人から選挙資金を得てはいけないことになっていますので、お金は送ることができません。 クシニチのホームページは次の通りです。
http://www.kucinich.us/

米軍をイラクから引き揚げよ

   デニス・J・クシニチ(オハイオ州下院議員、民主党大統領候補)

イラクの米軍プレゼンスはまったく生産的ではありません。もしずっと居座るならば、アメリカの安全を損ない、戦争を長引かせ、軍隊をさらに失い、民間人に被害をもたらし、何千億ドルの税金をムダにし、やがては徴兵制に行き着かざるをえないでしょう。米国のイラク侵略は嘘にもとづいています。すなわち、サダム・フセインは9月11日もしくはアルカイダのその役割とも何の関わりもありませんでした。イラクはアメリカを攻撃する意図も能力もありませんでした。イラクはナイジェリアからウラニウムを獲得しようともしていませんでした。イラクは大量破壊兵器をもっていませんでした。攻撃することも居座ることも間違いでした。
いま、アメリカのイラク平和計画の、アメリカ撤退戦略の、その時期です。世界社会はアメリカの政策転換を歓迎するでしょう。
そのために、我々の軍隊を故郷に連れ戻し、アメリカを世界と再結合し、我々の道徳的権威を再構築し、かくしてイラクを安定と自己統治、すなわちイラクの石油資産の支配権を国連に委譲し、自己統治へと移行すること、などが必要なのです。
イラクの自己統治が実現するまで契約を国連に引き渡せば、ハミルバートン型のなれ合い賃金協定も戦争屋的荒稼ぎもなくなるし、イラク人も仕事にありつけるわけです。
ジュネーブ協定やハーグ協定を遵守しよう。イラク経済の私物化を止めよう、そしてイラク人の国民財産を返還しよう。
米軍が破壊したもの・ことを再建しよう。そして戦争で生命を失った無垢の民間人の家族に賠償しよう。
イラクの自己統治まで国連平和維持の任務に資金援助をしよう。国連平和維持部隊は輪番でやり、米軍は輪番から外れよう。
これらのステップこそ、国連が、イラク新政府が次のことをすることを支援する道を切り開くのです。すなわち、イラクの石油や他の資産の支配権を国連が執行し、国連の暫定平和維持に同意し、自由選挙のスケジュールを立て、そして自己統治に向かう憲法を制定するということがそれです。
この計画によってこそ、もっとも重要なこと、すなわち90日以内に我々の軍隊を引き上げ、アメリカの信用を回復すること、すなわち平和を達成することができるのです。