* 入院(手術前日) *
【2006.07.31】

手術前日の7/31,指定時間(午前9時半)に病院に到着。諸手続きを済ませて病棟へ。
看護師さんから病室(棟)の案内を受け,採血と身体測定を済ませてネームバンドを手首に。
個室に案内されてパジャマに着替えると,なんだかすっかり病人になったような気分です。
昼食までは何もすることがないので,記録用にデジカメで部屋の写真をパチリ。
広くて快適な室内で,これでわんこのサークルを置かせてもらえれば文句なしなのに…などと呟きつつ,荷物の整理を。

午後は担当看護師さんからの問診(日常生活習慣や性格等について),麻酔科の先生からの説明。
腹部の剃毛(シェーバーでの除毛といった感じ),おへその掃除。
採血の結果,ヘモグロビン値は12と合格点に!造血剤に加えて,鉄剤サプリ(プルーン味のタブレット)を2瓶完食した甲斐があったようです。

夕方に執刀医のK先生が,手術や後遺症についての説明をしてくださる。
K先生とは初対面なのですが,とてもフランクな方で安心して手術に臨めました。
予備知識のまったく両親でも理解できるような,的確な説明の運びにも感謝しています。
「手術同意書」,「麻酔についての同意書」,「輸血についての同意書」(それぞれ本人と保証人の署名捺印)を提出。
夕食後,8時頃に浣腸。10時以降の飲食は禁止との事なので,シャワーを浴びて9時過ぎにはあっさり就寝。

3ケ月近く待っていた手術でしたので,これで体調不良が改善されると思うと,事前の不安は特にありませんでした。
やっぱり一番気にかかっていたのは,お留守番に残してきた黒柴わんこのことでした(笑)


* 手術当日 *
【2006.08.01】

起床後に検温と浣腸。トイレを確認していただくも,いまいち成果があがりませんが…とりあえずOK。
手術の順番は2人目なので,11時半頃のお迎えになるとの事,両親と雑談をしつつオンコール待ち。
11時過ぎに術衣に着替え,左腕に点滴が入る。術後もこのまま留置するため,テープでぐるぐる巻きに固定。
いよいよだなあ…と思いつつも,やはり実感が沸かず。一番緊張感のないのが本人でした。

手術室に移される少し前に,「麻酔を効きやすくする薬」を注射されたのですが,そのせいで爆睡。
部屋を出発したのはおろか,手術室の記憶もな〜んにもないのです。気がついたら,病室のベッドでした。
両親に「言ってきます」とか,主治医の先生に「お願いします」とか,格好良く言ってみたかったのに。。。。
後に集めた情報?によると,
硬膜外麻酔の準備では,背中を丸めるようにとの指示に「腰が痛くて曲がらん」。
取り出した筋腫の説明には,面倒くさそうに「ふぅ〜ん」。
極めつけは,病室に返ってから意識が戻るなり「捲ちょん(いとしの黒柴)の散歩に行って」。
思いっきり「素」がでまくりです…ダメダメじゃん(汗)

麻酔の覚醒による吐き気はありませんでしたが,痺れた足先の感覚が戻るにつれて寒いような,暑いような奇妙な感覚が交互に。
傷の痛みは硬膜外麻酔と点滴に加えられた痛み止めで,身体の奥に重い鈍痛を感じる程度。
点滴のせいでのどの渇きも空腹感も感じませんでした。とにかくだるくて眠い。身体に付随する管や足のマッサージ器がうっとうしい。
朦朧とした意識のまま,検温(2時間おきくらい?)で起こされる度に,
昼→夜→真夜中→明け方と見える景色が本のページをめくるように変わっていた事だけ覚えています。


* 術後1日目 *
【2006.08.02】

朝の回診でK部長から,手術も上手く行き傷もキレイとの診断をいただく。
傷の消毒の後,硬膜外麻酔と尿管が抜かれ術衣からネグリジェの着替えさせていただく。
管や機械が外れて少し身動きできるようになるも,意識はぼーっとしたままま。

トイレまでの歩行の許可が出る。初回の排尿は計測の必要があるので,カップにとってくださいと言われ,とったらしい(←記憶が不確か)。
排尿痛は思ったよりなく,排ガスはスカ〜っと頼りない状態。頭痛と腰痛,点滴の落ちが悪くなるので,意識して腕を伸ばしていないとならず体勢が辛い。

傷の痛みは重い生理痛のような感じで,その後も何度か看護師さんに痛み止めの追加をお願いする。
なにもかもがうっとうしくて,不機嫌になる。わざわざ見舞いに来てくれた父母を10分で追い返したらしい。ごめんなさい。
この日が入院期間の中で,一番具合の悪かった日。

夕食から流動食が開始となる。流動食→3分粥→5分粥→全粥→常食と2食づつ変更となる。
水分ばかりが5種類くらい並んでおり,重湯と牛乳以外は謎。かろうじて牛乳を少し飲む。
点滴が続いているので,相変わらず空腹感も喉の乾きもなし。
癒着を防ぐため,歩いた方が良いといわれたが病室から出る気にならず,室内を数回往復する。
咳をすると傷に響いて痛い。ハナをかむのも一苦労。ヒトは思わぬところで腹筋を使っているのだと,妙に関心してしまう。


* 術後2日目 *
【2006.08.03】

痛み止めを入れていないので,昨日に比べて頭がすっきりとしている。
昨日と打って変わった元気さに,K部長から「もう大丈夫」の太鼓判が。
相変わらずお腹周りは腹帯でぐるぐる巻き。朝の回診で,初めてお腹の傷を見る。
聞いていた通り,ホチキスの針のようなものがずらりと…。
48時間さしっぱなしになっていた点滴が,そろそろ落ちが悪くなってきたので針の位置を差し変えていただく。
その際に点滴の針がプラスチック製の管のようなものと知ってびっくり。
傷の痛みは並みの生理痛レベル。経口の鎮痛剤(ロキソニン)で抑えられる程度。

午後にこうたろうくん母さまがお見舞いに来てくださった。
リラックスグッズやモロゾフのプリン等々,楽しく美味しい物を差し入れにいただく。
隔離された環境の中で少し寂しくなっていたので,仲の良くしていただいている方にお目に掛かれて元気が出ました。
遠方までお運びいただき,本当にありがとうございました♪

朝食は流動食,昼食・夕食は3分粥。どんぶりいっぱいの重湯はパスさせていただきました(汗)
夕方で待ちに待った点滴終了。これでようやく自由な体勢で眠れる。
自宅から枕を持ってきてもらい,久々に気持ちよく眠る事ができました。



* 術後3日目 *
【2006.08.04】

朝の回診で,腹部のドレーンを抜く。なんだか内臓が引き出されていくようで気持ちの悪い感触。
分厚いパッド(ドレーンの排液を吸収するため)がはずされ,腹帯の下がすっきりとする。
採血の結果,術後の鉄剤の点滴と,手術の出血が少ない(60cc程度)だったので,ヘモグロビン値は11をキープ。
このころより回診の都度,「今日も元気ですね!」といわれる患者となる(笑)
傷の痛みはかなり軽減し,痛み止めは不要。咳,寝返り,トイレの時など力を入れる動作にははさすがに痛む。
スカ〜っというガスとともに,「大」開通。

朝食・昼食が5分粥。夕食が全粥となる。どんぶりいっぱいのお粥はかなりトホホな気分…。
点滴からも開放されたので,二日ぶりに部屋を出て病院内を徘徊。
水分を沢山とるように…との指示があったので,売店にてお茶等を購入。
シャワーの許可が出たので,早速シャンプーをする。傷はシャワーの後は水気を拭いて,ミニタオルを当てて腹帯を付ける「だけ」。
鏡で見ると,傷の部分が三角形にでっぱっているのにびっくり!
これは腸のむくみと,お腹を閉じる際に表面以外は各層毎に縫ってあるからとのこと。縫い代ってわけですね。
ドライヤーをかけていて,ホコリでむせて大後悔。こんなところにもキケンが(汗)
結局半分しか乾かせず,明日の寝癖は病人と言う事でお目こぼしを〜。


* 術後4〜5日目 *
【2006.08.05〜06】

元気な患者,現在進行形。土日は回診がないので,午前中から病院内の探索を開始する。
院内だけでは飽き足らず,久しぶりに外の空気を吸いに屋外に出て,暑さにヘロヘロになる。
歩いても表面が突っ張るような感じがするだけで,特に痛みはなし。身の回りのことはほぼ完璧…でも,くしゃみは当分無理そう。
お腹の内部が落ち着いていないせいか,飲食するとすぐにトイレに行きたくなる。
特に「大」はきゅ〜っと腸が絞られるような感じで,脂汗がタラリ。
麻酔の後遺症なのか,頭痛が続いており,鎮痛剤を処方していただく。
昼食から常食に戻ったのを良い事に,おやつを解禁。以降売店に入り浸る(笑)
ひたすら暇な週末。わんこが恋しい〜(涙)



* 術後6日目 *
【2006.08.07】

予定表の通り,抜鉤。
書類からホチキスの針を取るような感じで,先端が三角形になった器具でプチンプチンと外す。思ったより痛くないのが不思議。
お腹を守ってくれた13個の金具をいただき,敬意を表して記念撮影。ついでにお腹の撮影も。
抜鉤を済ませると,突っ張り感がかなり軽減して,腹部が楽♪今日一日はシャワーはなし。
体重をはかったら,1キロ減。この生活を続けているど…ぬか喜びになるに違いない。
排尿時に少し不快感(手術の際,膀胱の癒着をはがしたため)がある以外は,至って元気。
食欲も戻ってきたので,調子にのって食べすぎてトイレにこもるハメとなった。



* 術後7〜9日目 *
【2006.08.08〜10】

ひたすら暇。リハビリと称して,院内→敷地内→隣接した公園と「勝手に」行動範囲が広がる。
脱走(敷地外への無断外出)はご法度なのですが,バス亭3つ先のフードセンターに焼き鳥を買いにちょくちょくと。
ええ,これもリハビリです。…って事で。。ダ。ダメでしょうか。。。(←小心モノ)

傷は押したりしなければピリピリ感だけで,早足で歩いてもまったく平気。
朝食前と午後には散歩をして,シャワーを浴びるという大名生活。
病人の証明は,リストバンドだけ…(笑)
排尿の不快感対策に抗生物質を処方していただいたが,効果がないのでこれはやはり手術の影響のよう。
明日はついに退院診察♪後もう少しでわんこに会える〜♪と,浮かれて早々に片付け物をしていたのを目撃されてしまい…もごもごもご。


* 術後10日目 *
【2006.08.11】


退院診察(内診,超音波)を無事クリア。明日の退院の許可が下りる。
腹帯は外してもよいと言われたが,傷がすれるとヒリヒリするので,しばらくの間は着用する事に。
退院後の診察は8/25。今日は嬉しくて眠れない♪と,真夜中までごそごそと片付け物をする。

傷はテープの下でカサブタが出来かけている様子。シャワーの後は特に痒くなる。
カサブタは剥がさないように…と念を押される。ダメだといわれるとやりたくなるので,キケンです。


* 術後11日目 *
【2006.08.12】


早朝に目が覚めてしまい,日課となった院内散歩を。
千里の道も一歩から…と言ったらオーバーですが,そんな気持ちで過ごした二週間前。
そこに至るまでの日々を考えると,やっとゴールに到着した♪と言う気分です。
いただいたクリティカルパス(予定表)の通りの進行で治療が進められたのは,
適切な処置をしていただいた先生と,看護師さん達のおかげと心より感謝いたします。

午前中に会計を済ませ,記念に院内のレストランで家族で昼食を。
余談ですがここのカツ重,お肉が軟らかくて脂身も少なく美味との事です。お値段も控えめの600円也☆ミ
帰路は渋滞と突然の雷雨につかまり,愛しのわんことご対面までには思いの他時間がかかってしまいました。
しっぽふりふりで大歓迎♪私にもしっぽがあったら,多分その10倍は振っていたことでしょうね(笑)




BACK