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2002年4月30日設置

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2011/08/06(土) 国は抽象概念ではなく実在するのだ

何かあると、クニが保障(補償)するべきだ、とにかくクニが悪い
クニのトップが悪い、という安易な事をわめきたてるマスメディアが多いが
その国を運営しているのは私達が選挙で選んだ国会議員達であり、
その活動の原資は私達が納めている税金であり、またその税金で公務員達を雇っている。
クニとは国民達全員が「国家」として構築しているものなのだ。

マスメディアにとってはクニを抽象概念として全ての問題を押しつければ
お金をくれる広告主を傷つけることも無く、クレームが来ることも無く、気楽に無責任な記事を書くことができるが
事象の本質から大きく外れた安易なクニ批判には全く根拠も価値も無く、この社会にとって害悪そのものだ。

確かに国にも問題はある。
ここまで国の構造が腐敗し、でもそれを変革できなかった理由は
私達自身も今までそれを望まなかったからでもある。
私達国民の国家に対する甘えがこの国を土台から腐敗させ
未来に向けて発展する力を失わしめた。

終戦直後の日本では国に頼るということはできなかった。
国が滅び国民の生活の保障など全く期待できない状況下で
国民達は皆自分の生活を支えるだけで精一杯だった。
それが少しずつ国が豊かになるにつれ、また大量に赤字国債を発行するようになって
必要以上に国に頼って生きる人が増えた。
公共事業が無いと成り立たない地域経済や、国会議員という名のムラ社会のボスに寄生する様々な既得権益団体。
官僚達の天下りに対する無駄な社会的費用負担など、それらの為に
私達の税金とこの国の未来が犠牲になっている。
地域に金を投入することが全て無駄だとは言わないけれども、それらの投資が将来に繋がるものだったのか
毎年の運営維持費だけで莫大な赤字を生み出し続けるものではなかったか、検証は必要だ。

現在の自分達の生活を維持するためにこの国の未来を犠牲にする選択肢を選んでいる人々は
そのツケが自分の子供や孫に降りかかってくることに何の罪悪感も感じないのだろうか。

私達は国に頼らなくても生きていけるようにもっと自立するべきだ。
安易にこの国の未来を食いつぶすのはやめるべきだ。
そのためには、クニを抽象概念として安易に使うのではなく
国とは私達国民が支え運営している集合体であるということを思い出すべきだ。
国から出ている金は打ち出の小槌が生み出したものではなく
私達の税金であるという当たり前の事実をきちんと認識するべきだ。

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