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2002年4月30日設置

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2011/02/01(火) カニゾウとエビゾウとカゲロウの違いについて

ナントカという人が書いた「KANIZOU」がポプラ社の大賞に選ばれた。
その本の販売数が100万部を超えたらしい。

カニゾウ? 違った。エビゾウだったか?
水嶋ヒロ?ゴーストライターの本名ですか。
酒に酔ってひたすら殴られまくるドMの主人公が幻影の神を見たというストーリーですね。
ではなくKAGEROU?
それはこの本のブームと著者自体が一時の幻影ですぐに消えるということを意味している。

極めて短期間にマスコミが様々な情報を大騒ぎして流した挙句、いつの間にか終わっているから
何がなんだかわからなくなる。その報道の中身は何も入っていなくて
皆でよってたかって有ること無いこと自分勝手に騒いでいるだけだから、最後には結局何も残らない。
マスコミがやりたいのは報道ではなく、他社に遅れをとらないという一事のみで
その中身など彼らにとってはどうでもいいのだ。

大賞を受賞したこの本を私は買わないけど、あらすじと結末だけは既に知っていて
だからこの本の中身については何も言わないし言うことが無い。

私がとても感動したのは、とりあえず何でもいいから受賞して、その受賞ニュースに乗っかって
中身の無い本で100万部を売り上げるという、その販売戦略の設計能力です。
「受賞」というニュースの時点でここまでの販売戦略の流れと決定的な勝利を読みきれた人は
ほとんどいないと思う。結果が判っている今ではとてもシンプルで見え透いた戦略なのだけど
導き出された答えは抜群なのです。

このシンプルで圧倒的な威力を誇った販売シナリオを描いた人は
水嶋ヒロ著者本人なのか、それとも出版社の人間なのか、それともゴーストライター?
なぜ少し前の相撲のように八百長疑惑で大騒ぎにならずに納められたのか?
本自体のシナリオより販売シナリオのほうが遥かに面白いのです。

この大賞作戦が終わった後に残るものは、出版業界の編集者の無力感です。
いい本を出そうとする努力はほとんど報われなくて、結局は宣伝次第だという
編集者の仕事意欲が無くなるような厳しい現実。
著者と大賞出版社に短期的な利益は生まれても
長期的にみると出版業界に悪い影響を与えそうな気がする。
クロスメディア戦略に囚われてテレビや各種マスコミも道連れに
中身の無いものを執拗に報道・宣伝するのは勘弁して欲しいと思う。

一時期、これまたブーム的にマスコミが騒いでいたドラッグ女優の告白本は
その売れ行きがさっぱりだという。
その本の中身の良し悪しは一切関係無く、マスコミがワイワイ騒いでいるうちが華で
それが終わってしまったら過去にどれだけ騒がれようが全く売れない。
今回のカニゾウはタイミングも含めて販売シナリオが抜群すぎるのです。
KAGEROUだったか?カニゾウさんは殴られる主人公でしたね。

最近のマスコミの無責任な馬鹿騒ぎと内容の無さに皮肉をこめつつ。

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