日誌

2002年4月30日設置

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2009/08/28(金) 深夜の東京

私が育った千葉は、深夜になると街の中が真っ暗闇になる。
学校や予備校帰りにその暗闇を歩いていると
変な人が出没しないか、少し怖かったのを覚えている。

今。私は東京で一人暮らしをしていて
終電までに仕事が終わらなかった場合は家まで歩いて帰るのですが
千葉にいたときに感じた暗闇の怖さ、恐ろしさは東京では全く感じられない。
午前0時を回っても、この東京という都市は結構明るいのです。

通りに人や車がほとんどいない中、のんびり歩きながら家に帰るのですが
日中の騒々しさからかけ離れた、静かに寝静まったこの都市を歩いていると
その日の仕事の疲れを少しだけ忘れる事ができるし、いい気分転換になります。

先日、深夜の街を歩いていたら、ある民家の門の柱で
セミの幼虫が脱皮して成虫になりかけているところを見つけました。
薄明かりの中、脱皮したての真っ白なセミが
静かに羽を伸ばしている光景は、神々しくて、とても幻想的でした。
何も音がしない静寂の中、街灯の薄明かりで白く輝いていました。
そこに、とても小さな「神」が宿っていた。

こんな風景を写真に納められたらいいのに、とも思ったのですが
薄暗い中で三脚をガタガタしたり、フラッシュを炊いたりするのはセミにとって迷惑だから
たとえカメラを持っていても撮影は出来無いのです。
自分の心の中の小さな宝物として、しまっておきました。

夜でも東京は明るいとはいえ危険な事には変わりは無いので
深夜に歩くときは気をつけますが、その中でも大切な物を見落とさないように。

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