日誌

2002年4月30日設置

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2009/06/14(日) 私は思わずカメラを隠した

6月。
ということで今日は鎌倉の明月院、通称アジサイ寺に行きたかったのだけれど
天気予報では鎌倉地方の雨の確率が高かったから、やめておきました。

それでもアジサイは見たかったから
近場の石神井公園まで自転車で行ってアジサイを探しながら歩いていたら
今日はやけにカメラマンが沢山いることに気がつきました。

石神井公園は普段からそこそこカメラマンがいる場所ではあるのですが
今日は異常なまでに沢山いる。変だなと思いながら歩いていたら
今度は一箇所に多数のカメラマンが集まっている場所を発見。

ナニがいるの?と覗き込んだら、扇型に集まったのカメラマン集団の中心に
若い女性モデルがポーズを取っていました。
その女性に中年カメラマン達その数30近くが一斉に大型望遠レンズを向けている。
変な妄念を感じるこの風景は正直怖かったから
私は思わず自分のカメラを隠して、急いでその場から逃げました。

この露骨に異様な雰囲気を醸し出している集団は一体なんだろうと思って
離れたところから眺めていたのですが、引率者らしき人が居るから
どこかの写真教室が野外講習をやっていたようです。
やれやれと思ってまた歩き出したら、また新たなカメラマン集団に遭遇しました。

今度は池に張り出した舞台の上でポーズをとる女性モデルに
同じくカメラマン達多数が群がっていて、文字通り黒山の人だかりになっている。
ウギャ!と思ってまた急いでカメラを隠して逃げたのですが
公園東側には複数(5〜6)の女性モデルとそれを狙うカメラマン集団がいて
すごいことになっていました。

その風景を見た公園を歩いている他の一般人の中には、馬鹿にして笑っている人や
露骨に気持ち悪がっている人々がいて、私も素直な気持ち怖いと思ったし
同じ人種だと思われたくなかったから自分のカメラを隠して逃げたのですが
少し複雑な気持ちです。

撮影することが良い・悪いの話ではなく、単に個人の嗜好の問題で
女性モデルを撮りたいと思わない私には、公園という公共の場で
集団で群がって撮影する気持ちがよくわからないだけの話で
何を撮ろうと撮影する事自体はその人の自由です。
同様に、植物とか虫とか狛犬には全く興味が無い人にとっては
私が大喜びで撮影している事自体が理解できないだろうし
そんな人が私の撮影風景を見たら「変人がいる!」と思って、怖くなると思う。

ただ。

ファインダーを通して見る世界は自分だけに見えているもので
他の人とも意識を共有出来ている世界ではないし
特に撮影現場に居るカメラマン以外の人にとっては
「ファインダーを覗き込んでいるカメラマンがいる」風景が、その人に見えている世界なのです。
見たくないもの・邪魔なものをファインダーの外に追い出してしまえるわけではない。

自分が見ている世界と他の人が見ている世界は異なるという
極めて初歩的で、かつあたりまえのことを忘れずにいたら
公共の場で女性モデルに群がって異様な雰囲気を醸し出したり
三脚で展望ポイントを占有して一般の人が見られなくなってしまったり
落ち着いた雰囲気の場所で突然フラッシュを焚いてしまったり
そのような悪影響を周囲の人々に与えることなく、撮影者自身も風景の一部として
自然に写真を撮れるような気配りができるのかな、と思いました。

自分も気をつけよう。

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