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2000年に買ったCDは全部で44枚。
本年の傾向は、結構いろんなジャンルにわたっていました。
そんな中かなりはまったのがフューチャージャズ。
それにしても下を見るとかなりディープな並び。
こりゃ誰も見たがらないわけだわ。
ともあれ、今年も音楽は豊作でした。

【アルバム賞】

01位. the seduction of claude debussy/art of noise
発売されたのが前年の暮れだったので今年の1位に挙げるのはちょいと抵抗ありますが、結局今年1年間かけてその緻密な音世界を読み解いていったところ、これが本当に凄まじいアルバムだったことがわかった、という感じです。20世紀が終わるそうですが、19世紀後期に活躍したドビュッシーをテーマとしながら、20世紀に辿ってきた音楽の歴史上の正統から異端までを網羅して1枚に凝縮したというアルバムです。そんな意味では20世紀を代表する傑作と言えるのではないでしょうか。まあ、そんな薀蓄を並べずとも、聴けば聴くほど新しい発見のある、奥の深いアルバムなのです。わかってください。
02位. KID A/RADIOHEAD
いわずと知れた今年の話題盤。squarepusherを意識したと聞いて深く納得した複雑怪奇な音の構成は、万人受けし難いと思っていたけど、全英米制覇して一躍トップアーティストとして認知されるようになった。このアルバムは、一足お先に21世紀的なセンスで創られていると思う。
03位. And then nothing turned itself inside-out/YO LA TENGO
今年の1位になると思っていたヨラテンの新作。間が抜けているけど恐ろしい完成度のこのアルバム。一聴した途端に鳥肌が立つほど幸福感を覚えた。去年初めて前作を聴いて以来はまっていたが、これのおかげでもう中毒になってしまった。ヨラテン最高、今年何回言った事か。
04位. IN THE MODE/RONI SIZE REPRAZENT
より攻撃的に、よりシャープになったことで、ものすごく迫力のあるアルバムに仕上がっている。繊細な音楽センスを駆使しながらこれだけの迫力を出すというのは並大抵のことではないと思う。職人技というか、これからもドラムンベースアーティストの未知なる可能性が発揮されていくんだろうなあと思わせてくれた。2ステップも良いけど、やっぱドラムンの方が自由奔放で好きだ。このアルバムは参加アーティストの面子の豪華さも話題になりました。
05位. TOURIST/St Germain
今年のはまり度No.1のフューチャージャズ。その中でもハウスの4つ打ちビートを基調にして絶妙のテンションのジャズを作り出していたサンジェルマンがかなり気に入った。音数は割と少なめだけど、体が勝手に同調して気持ちよくなれる。そこらへんのテクニックは実にうまい、と思う。都会的で、クールな一枚。そして、聞き流しても、じっくり腰を据えて聴いても良い、長く付き合える1枚。
06位. STORIES FROM THE CITY, STORIES FROM THE SEA/PJ HARVEY
PJハーヴィーが、今作ではかなり開放的で、溌剌とした雰囲気になっていて驚いた。トムヨークとのデュエットはかなり良いけど、他の曲もみんな良かった。アルバムの中でその曲が浮くどころか、アルバムの流れに乗っていて違和感が全く感じられなかったのは凄いと思う。トムの強烈な個性に匹敵する絶対的な個性を持っている事が良くわかる。トムとの共演作が入ってなかったとしても、この順位にとどまることでしょう。アルバムとしての完成度がそれだけ高いわけです。
07位. fold your hands child, you walk like a peasant/BELLE & SEBASTIAN
ベルセバの新作はやはりベルセバだった。つまり、今までの路線を一切変えずに、その中でより完成度を高めたという作品だった。その意味では当然ベルセバの最高傑作だと思うし、内容は文句無しに極上と言える。最近たくさんいるベルセバフォロワーには絶対に追いつけないレベルになっている。でも、私の希望としては、次作あたりからちょっと趣向を変えてみたら面白いと思う。ジェントルウェイブスとか、ルーパーとか、シングルのリーガルマンみたいなアプローチもやっているのだから、もっと遊べるはず。
08位. Lucy Pearl/Lucy Pearl
ラファエルサディークの音楽センスが冴え渡るアルバム。年末になって、メンバーの3人の内の紅一点、元アンヴォーグのドーンが脱退したけど、ラファエルが居る限り全く心配ないでしょう、音楽的には。
09位. Little Kix/Mansun
マンサンの新作は、どちらかというと原点回帰的な作品でした。でも、ただ昔の焼き直しというわけではなく、ある程度派手な表現を抑えた音で、アーティストとしての成長が伺える。ほんと言うと、これも良いけどSIXのハチャメチャが好きなので、今回はちょっと一服、という印象をもった。
10位. vanguard/finley quaye
レゲエのフィンリークエイ。今回はロックっぽい曲が入っていたりとかなり多様化してました。アルバムのまとまりが損なわれているわけではないし、1曲1曲もとても上質です。なんてったってこのまのびしてるけど意外と張りのある声が良い。
11位. AMATEUR SOUL SURGERY/THE JAZZ CANNON
ジャズキャノンなんて騒々しい名前だけど、中身はトリップホップ調のダブジャズ。ダブ好きジャズ好きトリップホップ好きにはお薦めのメロウな1枚。このタイプのジャンルにしてはわかりやすいので初心者向けともいえるかもしれません。あと、ジャケもきれい。
12位. WASP STAR [APPLE VENUS VOLUME 2]/XTC
VOLUME1は去年出たけど、2は今年になってやっと出た。でも待った甲斐があったという最高の出来。マニアックで頑固な職人の技という感じの音作りは、今世界最高の水準にあると言っていいと思います。ベテランらしい熟練の妙技にそこらの新進アーティストは軽く蹴散らされてしまうことでしょう。
13位. EVERYTHING, EVERYTHING/UNDERWORLD
デジタルダンスミュージックでライブアルバムというと、どうもいまいちなものが多いけど、アンダーワールドは逆にオリジナルアルバムよりも優れている。強烈なダイナミズムで体を動かさせるビートに、独特のヴォーカルスタイル、そしてドラマティックな展開と、言うこと無しに最強のダンスアルバムです。
14位. fragments of freedom/Morcheeba
トリップホップの中では前から聞きやすいほうだったけど、今回では更にディスコ調、ソウル調で軽快になった。よくよく聴いてみればかなり凝った創りに持ち前のユーモアセンスが加わり、とても良い出来だと思うけど、軽快な分、強烈な印象を残すこともなく、こんな順位になりました。
15位. Boodoo/D'ANGELO
ディアンジェロの2作目なんです。が、これはものすごく良かった。なんと言うかまったりどっぷりという感じの濃いソウルアルバム。1位にしてもおかしくない位もの凄く良いアルバムだと思うけど、私の好むジャンルからはややはずれ気味だったことで残念な順位に。
16位. MOTION/THE CINEMATIC ORCHESTRA
フューチャージャズ、今年2枚目のチャートインです。こちらはアーティスト名からもわかるとおり、架空フィルムのサントラとも言えるような、映像的なセンスを身上とするアーティスト。フューチャージャズの中でも、ストレートなジャズに近い感触です。これも結構聴いたアルバム。
17位. MUSIC IS ROTTED ONE NOTE/SQUAREPUSHER
ドラムンベースに生ベースを乗せるスタイルで注目を集めたSQUAREPUSHERですが、今年は既に8作目のアルバムを出してました。最近のアルバムは買っていないですが、これは彼の作風の転機となった、ディープジャズに挑戦した作品。ジャズではあるけど、何処までもノイズっぽいアブストラクトな構成が彼らしい。MY SOUNDという曲が比較的わかりやすく、とても良い曲です。
18位. THE GREAT EASTERN/the delgados
ベルセバと同じくイギリスグラスゴウ系のアーティスト。ところがアメリカのヨラテンぽい雰囲気もあり、ちょっと独特。聞き込めるアルバムとして、今年前半は良く聞いたけど、最近は忘れ気味だった。
19位. BIG WORLD SMALL WORLD/SMITH & MIGHTY
ダブ。重い重いビートに、憂鬱なヴォーカルが乗る。ヴォーカリストを何人も採用しているので曲ごとに雰囲気が変わるけど、スタイルは一貫しているのでアルバムとしても聴ける佳作。
20位. What Makes It Go?/Komeda
だいぶ旬を過ぎてしまったこと、既に何回も聴いていた事もあってこの順位に居てもらった。アホでまじめである意味クールなラウンジポップ。結局これでアルバム全部そろっちまいました。

【ベストソング賞】

feeling blue/finley quaye
世紀越えのベストソングは明るいものを選びました。タイトルも歌詞もブルーですが。この曲聴くととても気分が良くなるんですよ。バレッ!

【ジャケット賞】

THE VIRGIN SUICIDES/AIR
あの写真のジャケではなくて、マイクミルズという人の書いた絵のほうのジャケのことです。ヨラテンのジャケとどっちか悩んだけど、こっちにした。

【邦楽アーティスト賞】

01位. LOVE PSYCHEDELICO
LADY MADONNA〜憂鬱なるスパイダー〜、Your Song、Last Smileと、みんなインパクトのある個性的な曲ばかりでとてもよかった。何より、一聴しただけでは日本人とは思えない発音、声質がはまる。
02位. クラムボン
音楽性の高さと、ボーカルの声が良い。去年から活躍していて新人ではないけれど、いまだに初々しい雰囲気です。今年はトウワテイとのコラボレもあり、非常に刺激的でしたね。
03位. AJICO
UAとブランキージェットシティーの浅井健一とライズのトキエが参加したバンド。私にとってはかなり唐突に出てきて驚かされた組み合わせ。そして曲がとてもよくてびっくりした。やっぱりUAの歌声はいいね。あと、トキエのメインバンドのライズも今年出てきた新人の中では結構良かったと思いました。
04位. キリンジ
エイリアンズが良かった。他の曲はいまいち知らない。アップテンポの曲も聴いたけど、ほのぼのなので勢いがそれほど無いのがおかしかった。
05位. KYOTO JAZZ MASSIVE
日本にもクラブジャズ系のアーティストが居て、この人らもその代表格。私の好きなフューチャージャズアーティストに比べると、どちらかというとラテン色が強い。私はあまりラテンものは聴かないので買う気にはならないけど、音楽的に良いのは確か。

【音楽ニュース賞】

トムヨークがビヨークやPJハーヴィーと共演。
びっくりしたね。しかもこれらのコラボレが2週間の間に行われた出来事だったそうです。これらのアーティストのレベルになると、トムが凄いとか、ビヨークが凄いとかの話ではなく、また別の世界を創り上げてしまうので恐ろしい。久しぶりにどよめいたコラボレでした。


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