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2000年は『永遠と一日』のような奇跡的な作品にはめぐり合いませんでした。
まあ、こればかりはしょうがないすね。
一年全体を振り返ってみても、今年は近年の内では不作に数えられる年だったと思います。
でもここに挙げる作品はみな派手でなくとも良い作品ばかりです。
【作品賞】
- 01位. スモーク シグナルズ
- 前半は割と単調な展開で、ストーリー的にそれ程目新しいわけではない。映像に強く惹かれたわけでもないし、ラストが予想つかないわけでもなかった。でも、1位。家族の葛藤と少年のたくましい成長をひしひしを伝えてくれる。そして静かで激しいラストシーンではもう全然抵抗出来ずに涙が出そうだった。
- 02位. 運動靴と赤い金魚
- イラン映画の中では比較的わかりやすい部類に入る作品。同じくイランの映画監督モフセン マフマルバフがメロドラマと形容していた。でも、イラン映画らしい情緒的で多くを語らない映像はこの作品にも見られる。特に瑞々しくて幸福なラストシーンは良かった。イラン映画を見たこと無い人にとっても、最初に見るのにちょうど良い作品としてお薦めします。
- 03位. イクジステンズ
- デビッド クローネンバーグの新作で、ジュード ロウが主演。でも、私のお目当てはジェニファー ジェイソン リーとクリストファー エクルストン。ジェニファー ジェイソン リーは私が最も好きな女優で、過去の作品もほとんど見ているけど、全部良かった。おそらく出演作をちゃんと選べる目と意志をもっているのだと思う。そんな期待にもれずこの映画もかなり良かった。彼女の演技は相変わらず素晴らしく、ここで語り始めると大変なのでやめとく。映画全体で見ても、心地よく理性を掻き回して、見終わった後に現実世界が違う雰囲気に映ったほど。
- 04位. ストレイト ストーリー
- デビッド リンチは凄い。それを再確認できたのが嬉しかった。それはさておき、主演のじいさん役だったリチャード ファーンズワースが短銃自殺したというニュースが今年の後半に報じられ、ものすごくびっくりした。アカデミーがノミネートされつつも受賞は逃してしまい、ごく素直に悔しがっていたときには元気そうだったけど、末期癌を患っていたそうです。その病苦が原因と決まったわけではありませんが、映画を見た後でのこのニュースには考えさせられるものがありました。
- 05位. 風が吹くまま
- 「聞こえないよ、今から高い所に上がるから切らないで、切らないで、...」と、携帯に叫びながら車に乗り込み乾いた丘へと走っていく。これがアッバス キアロスタミの映画だっていう繊細で静かでどこか滑稽で物悲しい映画。はっきり言って何も事件が起こらないまま終わるつまらない映画。のはずが頭の中にはいつまでも残りつづけて、時間が経つごとに鮮明になっていく不思議な映像美。
- 06位. あの子を探して
- これも言っちゃえばメロドラマ。でも結構面白かった。ベルリンかなんか取ってたけど、いまいち期待してなかった。ところが結構結構良かった。なんと言うか、まったく嘘が無い映画という印象で、とても好感が持てた。いろんな人に薦められる秀作だと思います。
- 07位. レイニング ストーンズ
- ケン ローチの昔の作品。この監督の作品に関してはあまり話すことが無い。特徴がどうとか、ストーリーがどうとかの問題ではなくて、体に合うか合わないかだと思う。で、私の体にはすんなり浸透して、どうしても気に入ってしまったというのが正直なところ。
- 08位. スリーピー ホロウ
- ティム バートンのホラーというとナイトメア ビフォア クリスマスのようなコミカルなノリかと思ったら大間違い。もっと全然どろどろスプラッターなノリで、残酷描写もちらほらと。コッポラが関わっていると知って納得。ティム バートンのコミカルさに、私の好きなコッポラの変態性がマッチして、とても面白かった。後で知ったことだけど、あの首狩騎士とスター ウォーズのダース モールとX-MENのカエル男を演じたのは同一人物なんだそうだ。今年は顔を見せることが出来なかったね。
- 09位. 太陽は僕の瞳
- 運動靴と赤い金魚の監督の今年の新作。非常に良かったけど運動靴と2個上位では詰まらんのでこの位置。ストーリーは全然違うけどね。
- 10位. リフ ラフ
- これもケンローチ作品なので、7位同様特に話すことはありません。あしからず。
【バカ映画賞】
- 該当なし
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