李 昌鎬九段の「私の形勢判断」
誠文堂新光社発行より
 囲碁の世界では韓国の天才棋士いや世界の天才棋士と言われる李 昌鎬九段は形勢判断が明るいと言われています。囲碁の勝負は陣地の広さが相手より、0.5目多い方が勝ちと成ります。囲碁を始めた頃、0.5目の意味が分かりませんでした。先手黒石の有利性を考慮して、現在は6.5目コミを相手に渡して、地所の多さを競うことにしているので、盤面で計算した時、黒の地所が6目多い場合いは後手白石の0.5目勝ち。盤面黒の地所が7目多いと時初めて黒の0.5目勝ちとしています。
 この0.5目は引き分けを防止するため設けられています。将棋の世界では、千日手というルールがあり、引き分けがありますが、囲碁の世界では引き分けを無くしています。
 勝負の世界では無理な手は自滅を誘うものです。
但し、李 昌鎬曰く形勢判断をした結果、不利と判断できたら、勝負手を放つ必要を説いています。勝負の世界に生きるには当然の理屈です。
 形勢判断は言うは易し、実行するには多くの知識と読みが必要です。囲碁に於ける読みとは勝って読みではなく、双方最善の手順で、応接した場合を想定する必要があります。また形勢判断は一局の内、何回か実施して仕上げまで進める必要があるとのことですが、それが出来れば私ももう少し上達するのでしょうが・・・・。
韓国での若手の台頭はすごいですが、トップの李 昌鎬九段の私の形勢判断は素人の私にも分かりやすく書かれた書物と思います。
しかし、自分が打つ碁形では何処を境界線に考えるのかさっぱり分かりません。
打ち易いのと打ち難いとの感覚はいくらか感じますが、打ち難いと思った時はおそらく必敗の時と思います。その時形勢判断しても後の祭りなのです。
93年に実施された劉昌赫九段黒石との実戦譜37手目までの形勢判断の様子です。
コミ5.5含
黒:44目+α
白:42目+α
素人の私には境界線を何処にとって判断するのかさえ難しいですが。
プロの境界線はかなり厳しい位置に設定するものです。
82手目での形勢判断の様子です。コミ5.5目含む
黒:42目
白:58.5目
黒の勢力が出来ると左辺の境界線はずいぶん下げて考えないといけないのですね。
形勢は白がかなり良いですが、以降、途中に白の失着があり、半目勝負まで接近したが、白の1.5目勝ちになったとのことです。
戻る