読 書 感 想(2007年9月〜)
フェルマーの最終定理
新潮文庫
サイモン・シン
青木 勲 訳
価格:781円(税別)
 フェルマーの最終定理に関しては何年か前に証明されたという話は聞いたことがありましたが、証明の内容を理解できるのは世界中でも限られた数学の専門家にしか理解出来ない。という風に聞いていたのでそれに関する専門的な書物も発行されたのではと思いますが、直ぐには関連書籍を読んでみたいという気持ちにはなっておりませんでした。
 しかし、数学史には少し興味があり、有名なピタゴラスの定理以降数学がどのように発展してきたのかについては歴史的なものは時々読んで、天才の出現によって発展してきたのだという程度の理解でした。難しい証明の論理はとても理解する気にはなれませんが、どんな人物がどのように努力して成し遂げたものなのかについては興味を抱いておりました。
フェルマーの最終定理とはこのページでは指数表示の方法がよくわからないのでリンク先へ示します。興味のある方は本書に説明があったので見てください。
 この定理を証明したプリンストン大学のアンドリュー・ワイルズは数学の天才と言われながらもこの証明にオーソドックスな紙と鉛筆のみ(ワープロも使ったと思いますが)で7年の歳月を費やして130ページの論文を発表し、その後の1年強に渡って問題指摘に対して新しい理論を追加し、証明を完成させたとのことです。天才といわれる人が1つ課題に対して7年間も継続して取組むというパワーはどこから生まれてくるのでしょうか。
 当初彼は独りでこの証明をやり遂げようと考えていたようですが、審査員からの指摘事項に回答するにはどうしても別の専門家リチャード・テイラーへ協力依頼し、彼の協力があって論文が最終的に完成したことも重要なことがらであると考えます。
 数学論文における証明は公理と既存の定理を使い、その定理を新しいアイディアに基づいて適用することで、論理を組み立てるという大変な作業となるようです。本書はインド系イギリス人の素粒子物理学の博士号持つ人サイモン・シン、BBCのTV局に勤めている関係もあり、一般の人にも解りやいす言葉で書いてあるというか、訳者の青木勲の訳が上手なのか両者で相乗効果を上げてくれているものと思います。
 新しい方向として、数学の世界ではコンピュータを利用した証明に関しては意味がないと言われているようですが、その1つ理由が、無限と言う数値が扱えないこともあるようですが、四色問題の証明では無限の概念が有限の概念へ置き換えられるケースとなり、コンピュータによって有限のケースをチェックして、証明されたと認識されているようです。
 コンピュータによる証明であってもプログラムのアルゴリズムが重要であり、アルゴリズムに矛盾がなくて、再現性があり、別のアルゴリズムのプログラムで実行しても同じ結果となる場合は正しいと認める方向にあるとのことです。
 一時話題になっていたπの計算で計算桁数を競い合う時期がありましたが、これらの検証についても別のアルゴリズムで計算した結果と突き合せて一致していることを根拠にしているようです。現代ではコンピュータを信用しないという訳にはいかない時代になっています。
 但し、コンピュータで処理した結果だから100%何時でも正しいと無条件に信用するのはまた問題です。入力データが間違っていたら、間違った結果になるし、プログラムのバクだって絶対無いとは言い切れないところが悩みの種です。
 しかし、コンピュータのアルゴリズムの研究者はコンピュータで新しいアルゴリズムを作る知能コンピータを夢見て研究している方もいることでしょう。将来が楽しみです。
まんがハングル入門
発行:光文社  著者:高 新太郎  価格:¥648+税
外国語の入門図書にはいろいろな種類ものがあると思いますが、語学コーナー以外で本著書を発見した時、このようなまんがスタイルのハングル入門本があるのだと感動的な思いをしました。

語学系の本はほとんどが堅苦しく単語や文法などを連ねたもので、読んでると睡魔に襲われるものが多いものですが、まんがハングル入門をまんがで書くという発想はすばらしいと思いました。私も約1.5年ほどNHKのハングル講座を続けておりますが、あまり進歩が実感できず、どうしょうかと思っていた時期に出会った本です。

本書にもありますが、言葉は使ってみて実感することが一番大切であることが記載されています。ハングルの場合は韓国まで行かなくても、新大久保のハングル料理店で試してみる方法もあります。

語学に関しては、どの外国語でも共通的に、聞くこと と 話すことが難しいですね。しかし、ハングルの場合漢字語では日本語と全く同じ発音の単語があるので、ここから、語彙を増やしていくことが出来る点は他の外国語とは大きく異なり、日本人にとってもとりつき易い外国語と言えると思います。

海外から日本へ来る海外旅行者は韓国人がトップであるにも関わらず、日本人の韓国語熱はありまり上がってないと思います。

最近急激に韓国との文化の交流が盛り上がってきており、過去のいろいろな問題もありましたが、それらにはあまりとらわれずに、今後も交流が増加することを期待します。韓国ドラマの人気はすごいですね。

私も、太王四神記、ファンジニ、スポットライト、イサンとNHKの韓国ドラマにはまっています。
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