山尾悠子

飛ぶ孔雀      

飛ぶ孔雀 2021年2月7日(日)
 「シブレ山の石切り場で事故があって、火は燃え難くなった。」と始まるが、それを説明するような短いエピソードが続いた後、本編「T 飛ぶ孔雀」が始まる。川中島Q庭園で大きな野点が開かれ、菓子屋の娘タエと双子の妹で女子高生のスワが火を運ぶが、飛ぶ孔雀が現れて大混乱に陥る。「U 不燃性について」Kは地下公営浴場で電車の女運転士ミツと知り合う。ミツの弟で劇団員のQは、山の頭骨ラボで働くことになる。そこは後代の温泉施設のあるが元宿泊施設のようだった。
 ストーリーは夢をそのまま描写したみたいに、脈絡なく展開していき、ほとんど理解不能。いくつかの物語で共通する名前の人物が登場するが、これもあまり意味がない。泉鏡花文学賞、日本SF大賞、芸術選奨文部科学大臣賞受賞作。