辻内智貴

青空のルーレット      

青空のルーレット 2005年3月29日(火)
  「青空のルーレット」:タツオは高所窓硝子特殊清掃作業員、つまりビルの窓拭きのアルバイトだ。一緒に働いている工藤と進藤とバンドをやっている。職場では珍しい中年の萩原さんは小説を書いている。若い保雄はこの仕事で母親を養っている。
 「多輝子ちゃん」は、名門高校入学した多輝子ちゃんがグレていったその真相を描いたもので、「筆者も知らない」といった語り口が独特だ。太宰治賞受賞作。(エッ!?)
 2つの作品に共通するのは、夢を持つこと、それを無心に追いかけることの美しさだろうか。たわいのない読み物かもしれないけれど、さわやかで楽しかった。