月村了衛

土漠の花      

土漠の花 2016年10月7日(金)
 ソマリアでの海賊対処行動に従事する自衛隊。墜落した連絡ヘリの探索救助要請が入り、吉松3尉以下十二名の警衛隊が七〇キロ離れた墜落地点を目指した。そこへ、ソマリアのワーズデン小氏族に襲われたというビヨマール・カダン小氏族のアスキラという娘が助けを求めてきた。話を聞いていると銃撃に会い、隊員が次々と倒れ、吉松隊長も殺されてしまう。友永曹長、新海曹長など、生き残った隊員でアスキラを守って、拠点への脱出を図る。
 安全で、非戦闘要員のはずの自衛隊が戦闘に巻き込まれ、殺し、殺されていく。紛争地にいる以上、避けようのない事態のはずだ。映画向きの作品だが、現政権下では映画化されることはないだろう。なぜか日本推理作家協会賞受賞作。