辻堂ゆめ |
いなくなった私へ |
いなくなった私へ 2022年8月25日(木) |
上条梨乃は、気がつくと渋谷センター街のゴミ置場に倒れていた。人に姿を見られたらまずいとあせるのだが、誰も超人気シンガーソングライターである自分に気づかない。それどころか、電光掲示板には「上条梨乃さん昨夜自殺」というテロップが流れていた。話しかけた学生バンドの中で一人だけ気づいた男子学生は、佐伯優斗といった。彼の姉の部屋に置いてもらうことになり、生活のためバイトをすることにし、所属していた事務所へ応募して採用が決まる。佐伯と住んでいたマンションへ向かうと、自殺に巻き込まれて亡くなった立川樹という小学生がいた。そして、この3人だけがお互いを認識できるのだった。 異国の伝説やカルト教団まで出てきて、ハードボイルド的な展開になって、ある意味、ミステリー的には謎は解けるのだが、肝心の謎はファンタジーのまま。東京大学法学部在学中に「このミステリーがすごい!」大賞優秀賞を受賞し、東京大学総長賞を受賞したそうだ。 |