豊島ミホ

青空チェリー      

青空チェリー 2009年4月2日(木)
 「ハニィ、空が妬けているよ。」:日本は遠い国と戦争を始めていた。麻美は教授に田舎へ帰るように言われ、何もない町で夏休みを過ごすことになる。幼馴染みの映二と会って、ダーリン、ハニィと呼び合うようになる。教授とはハガキをやり取りしていた。秋になり、映二に徴兵通知が届いた。
 「青空チェリー」:予備校の隣にラブホが建って、以来屋上でのぞきをしている。ある日のぞきをしている、男子が出てきた。一緒にのぞいているうちに、二人でオナニーを始めた。
 「ハニィ、…」は、最近コミックでよく見かける日本が戦時下になって…という設定のものだが、中途半端な感じ。「青空チェリー」は、「女による女のためのR−18文学賞」という賞の読者賞を受賞した作品、といった感じの作品。おもしろかったのは、大学卒業目前になっても中学の同級生アツコが忘れられない、というよりアツコとの記憶の中でしか生きていられない男を描いた、「誓いじゃないけど僕は思った」。