戸梶圭太

闇の楽園      

闇の楽園 2005年10月15日(土)
 営業成績が上がらずある日突然会社をやめてぶらぶらしていた青柳敏郎は、ほんのふとしたきっかけから、長野県上高井郡坂巻町の起死回生の町おこしアイデア募集にお化け屋敷のテーマパーク で応募する。同じ頃、カルト教団真道学院ではその坂巻町に教団の施設を建設しようとしていた。青柳のアイデアは採用され、東京での暮らしを捨ててテーマパーク事業に参加しようと坂巻町にやって来ると、反対運動が起きていた。
 ドタバタミステリーかと思っていたら、バイオレンスシーンがあったり、非常に幅の広い作家。新潮ミステリー倶楽部賞受賞作だが、背後関係は全て明らかにされて同時進行しているので、どちらかという とユーモア冒険小説という感じ。文庫本の表紙は実際のイメージとはかなりかけ離れていて、本来の読者を遠ざけているような気がしてもったいない。