高嶋哲夫 |
イントゥルーダー |
イントゥルーダー 2008年11月14日(金) |
二十五年前一緒に暮らした女性から、「あなたの息子が重体です」と電話があった。新宿で酩酊状態で通りに出て車にはねられたという。警察によると覚醒剤も検出されていた。コンピューターのトップメーカー東洋電子工業の副社長・研究開発部部長である羽嶋浩司の後を追うように、その息子松永慎司は新進ソフトメーカー・ユニックスに勤めていた。東洋電子では、世界最高速のスーパーコンピューターTE2000の発表を間近に控え、また社長の大森は密かに関東電力に接触していた。慎司のアパートへ行くと、恋人らしい理英子という女性が現れる。多忙な中、羽嶋は会ったことのない息子のことを思い、事故に会う前行っていたらしい日本海の日の出町へ行き、慎司がしようとしていたこと探ろうとする。日の出町では、関東電力の原子力発電所の建設が進んでいた。そこで会った原発反対派の結城に慎司が接触しようとしていた。そして、羽嶋は何者かに襲われる。 終盤になって実は、実はの繰り返しでおもしろいのだが、基本的に暴力は苦手なので、ハードボイルドは受け付けない。サントリーミステリー大賞受賞作。 |