殊能将之

ハサミ男      

ハサミ男 2005年7月6日(水)
 少女を扼殺し、ハサミを喉に突き刺す連続猟奇殺人犯「ハサミ男」は、三番目のターゲットを決め、後をつけ周辺を調べ機会を狙うが、誰かに先を越されてしまい、しかもその第一発見者になってしまう。
 「ハサミ男」は出版社でアルバイトし、なかなか知的でグルメであり、週末になると自殺を試み、失敗すると第2の人格「医師」が現れる。その「医師」の勧めで、「ハサミ男」は犯人探しを始める。警察側では犯罪心理分析官を起用して、捜査を開始する。
 久し振りにあっと驚いた。「ハサミ男」の正体にしろ、真犯人にしろ、警察の捜査にしろ、すべてが大どんでん返しだ。 「ハサミ男」というタイトルにだまされたというか、綾辻行人の「迷路館」同様、映画化が不可能なわけだ。もう一度ポイントに気をつけて読み直して見よう。 そうか、ファッションがカギだったんだ。なるほど。ハサミ男のキャラクター、なぜだか引き込まれてしまう。メフィスト賞受賞作。