首藤瓜於

脳男      

脳男 2005年5月5日(木)
 連続爆破事件が起こり、被害は次第に大きくなっていく。巨漢の茶屋警部率いる捜査陣は、微細な遺留品から犯人緑川を突き止め、その爆弾製造工場を捜索すると、犯人ともう一人の男が格闘していた。犯人は取り逃がしてしまうが、逮捕したもう一人の男、鈴木一郎はその前歴がまったく不明の謎の男だった。精神鑑定を依頼された精神科医鷲谷真梨子は、彼の本質を探り始めるが、その病院に爆弾が仕掛けられる。
 爆破事件の犯人はわかっており、ポイントは鈴木一郎が誰であるかということ、そして爆弾攻撃されている病院の中で犯人をどうやって探し出すかという、謎解きとアクションをミックスさせたアメリカ映画的なミステリーだ。江戸川乱歩賞受賞作。