翔田寛

誘拐児      

誘拐児 2011年10月10日(月)
 昭和21年、5歳の男の子が誘拐され、犯人は捕まらず、身代金を奪われ子供は戻らなかった。昭和36年、下條弥生という女が殺された。遺留品から文字が切り抜かれた新聞の写真が見つかり、その文字がかつての誘拐事件に使われたものだったことが判明し、15年前の事件とつながる。谷口良雄は、母が亡くなる直前話した衝撃的な言葉から、母との過去を探ろうとしていた。
 真犯人はこの人ちょっとおかしい、と思う人物がやはりそうだったので、犯人探しという点ではどうということないが、脅迫の方法とかその裏をかく犯人の手口とかはおもしろかった。最後、違った切り口から捜査していた二組の刑事たちと良雄、そして良雄のために動いていた恋人で看護婦の幸子が、同時に病院に駆けつけて大団円となる最後は、いかにもテレビドラマ向きという感じ。