菅原和也

さあ、地獄へ堕ちよう      

さあ、地獄へ堕ちよう 2014年12月13日(土)
 ミチはSMバーで無垢な少女キャラクターのM嬢を演じて、大量の薬をビールで飲んで働いている。薬をもらいに病院に行くと、そこで幼馴染のタミーと出会った。タミーはある日姿を消したが、自ら眼球をえぐったと噂されていた。ミチの部屋に転がり込んできたタミーは、ノートパソコンで「地獄へ堕ちよう」というページを見ていて、そこにはタミーが殺したという女性の死体が掲載されていた。殺す人間と殺される人間が知り合う、出会いの場だと言う。以前働いていたリストさんが店に現れ、お客とトラブルを起こして一緒にリストさんのマンションに逃げると、彼女の肌は全身に入れ墨が描かれ、頭にもプレートを埋め込んでいた。「地獄へ堕ちよう」にそのリストさんの死体が掲載されて、マンションへ行くと入れ墨の皮膚をはがされた死体があった。そして、タミーの死体も掲載された。
 おバカキャラのミチが、仕事で覚えたS技を使って、体当たりで「地獄へ堕ちよう」を探る。かなりグロテスクで気持ち悪い。最後にちょっとしたどんでん返しがあって、そこが唯一おもしろいところ。横溝正史ミステリ大賞受賞作。