須藤靖貴

俺はどしゃぶり      

俺はどしゃぶり 2005年9月1日(木)
 吾郎は製薬会社に2年間勤めた後、母校である川越の私立名門高校へ国語教師として戻ってきた。大学時代アメリカンフットボールに打ち込んでいたので、高校でもフットボール部創部を企てる。雪だるまのような先輩国語教師を部長に引き込み、運動オンチのデブや他の運動部のおちこぼれを集めて、なんどか同好会を立ち上げ、ついに試合にまでこぎつける。
 「俺はキャプテン」と「NG胸を張れ」は、その学生時代のアメリカンフットボールと仲間達との青春と失恋を描いたもの。
一言でいうと、痛快青春スポーツユーモア小説。おもしろかった し、夏目漱石の「坊ちゃん」を意識したストーリーや文章も結構うまい。こんな体育会系だったらいい。アメリカンフットボールを知ってないと生き生きと伝わってこないが、巻末に用語解説がある。小説新潮新人賞受賞作。