不知火京介

マッチメイク      

マッチメイク 2006年12月30日( 土)
 新大阪プロレスの総帥にして国会議員のダリウス佐々木が対戦中額から出血して倒れ、病院で亡くなった。傷からは蛇の毒が検出された。新人レスラーの俺、山田聡は同期の本庄と、自殺とされたこの事件の謎を追う。今度は、「マッチメイク」、あらかじめ用意された試合のシナリオと事件の関連を話した師匠の丹下がバーベルの事故で死んだ。2つの事件とも他殺だとしたら、犯人はレスラーの誰かだ。手口、アリバイ、動機、あれこれ考えているうちに、俺は一人のレスラー疑いを持った。
 プロレスを舞台とする異色のミステリー。プロレス団体の内実やトレーニングの様子が詳しく描かれていて、おもしろい。江戸川乱歩賞受賞作。最近の乱歩賞は、ハードボイルドとか、特殊な舞台設定のものが多いようだ。