白岩玄

野ブタ。をプロデュース      

野ブタ。をプロデュース 2008年10月19日( 日)
 桐谷修二のクラスに、転校生がやってきた。彼、小谷信太は期待を裏切るデブでワカメヘアーでメガネのブ男だった。いじめられていたところを助けたクラスの人気者修二に、信太は弟子にしてくれと頼んだ。修二は、この無視されいじめられている野ブタを、みんなが愛する人気者にプロデュースしようと思いつく。そして、期待通り野ブタは人気者になっていくが…。
 修二自身、家では素晴らしい高校生を演じ、学校でも桐谷修二の着ぐるみショーを演じている。「この距離間、居心地いいんだ。遠過ぎたら寂しいし、近過ぎたらうっとうしい。適当に笑わしておけば波風立たないし、誰にも嫌われない。むしろ好かれることのほうが多いし、いろいろ得することだってある。自分が他人と合わないからって一人の世界を作ってしまう奴。そんな奴は弱すぎる。障害物があるからって違うコースを走るのか。そんなもの全部キレイにかわして走ればいいんだ。」
 文藝賞受賞作で、芥川賞候補にもなって話題になった作品。テレビドラマ化されたが、内容はまったく別物。