新堂冬樹

血塗られた神話      

血塗られた神話 2004年12月29日(水)
 かつて「悪魔」と恐れられた街金の経営者野田秋人だが、5年前高場健二という客を自殺に追いやり、婚約者だった聖母のような京子のもとを去っていた。ある日刑事がやって来て、前の日契約した客が殺されたという。そして、野田の事務所にその死体の肉片が送られてくる。その客、内本について調べていくと、そこに京子の名前や高場の父の名前が出てくる。従業員の一人も失踪し、野田はかつて付き合いのあった暴力団の水戸、私立探偵の荒木の協力を得て、事件の中へ飛び込んでいく。勘のいい人は直感で想像できるので、紹介はここまで。
 タイトルからしてハードボイルドだが、メフィスト賞受賞作というので読んでみた。メフィスト賞ということだけはある結末だろう。ハードボイルドというのはあまり読まなくて、それは一つにはノワールなところが好きじゃないこともあるが、暴力シーンに耐えられないからだ。この後の作品はもっとすごいらしいので、この人の作品はこれでおしまい。