佐藤青南 |
ある少女にまつわる殺人の告白 |
ある少女にまつわる殺人の告白 2016年5月18日(水) |
長崎県南児童相談所の所長隈部は、取材を受けて、長峰亜紀について語り出した。亜紀は、母が離婚した後連れ込んだ男に虐待されていた。一時保護したり、男から引き離しを図ったりするが、事件が起きてしまった。作品中は、正体不明の東京から来た男に対して、当時の関係者が物語るという形で進んでいく。少女亜紀が殺害された事件かと思って読み進んでいくと、途中で養護施設から高校を卒業して東京で就職したことになっている。とすると、事件とはいったい何なのだろう。もしかして、東野圭吾の「白夜行」のようなことかなとも思う。 ラストで事件の真相と、取材者の正体がわかる。児童虐待ではよくあるケースだそうだが、結末はホラーといった感じだ。「このミステリーがすごい!」大賞優秀賞受賞作。 |