酒見賢一 |
後宮小説 |
後宮小説 2011年12月24日(土) |
1600年ごろの中国素乾国で、腹上死した帝王に替わる新帝の後宮に仕える宮女狩りが始まった。十三歳の銀河も宮女候補として都へ向かうことになった。銀河は、三食昼寝付きでしたい邦題贅沢できるぐらいにしか思っていなかった。銀河たちは仮宮に入って、後宮教育を受けることになる。同室になったのは、高慢なセシャーミン、無口な江葉、高貴の出らしい王遥樹。そして、謎の女双槐樹が時々姿を現す。女大学では、哲学者の角先生が講義し、弟子の菊凶が実技を教授した。教育期間を終えて口頭試問を受けて、銀河はなんと正妃に選ばれた。 おもしろいことはおもしろかったが、どうということもなかった。物語の展開上、幻影達と渾沌という二人のごろつきがトリックスターとして登場するのだが、ないほうがいいとも思うが、これがないとそれこそなんということもない物語になってしまう。ファンタジーノベル大賞受賞作。 |