坂井希久子 |
こじれたふたり |
こじれたふたり 2017年7月11日(火) |
「かげろう稲妻水の月」:再テストのお願いんで教授室を訪ねた私に、柿崎教授はシュークリームを踏むように頼んだ。柿崎教授は小さな生き物が踏み潰される瞬間に性的興奮を得るというフェティシズムの持ち主だった。 「チャット・ガール」:バイトからの帰り道、突然声をかけてきたのは、そのバイトのライブチャットの常連客冷凍まぐろだった。同じバイト先の秀輝に頼んで話をつけてもらったのだったが…。 「素っ裸の王様」:同じ会社の藤原が突然ロハヌーディズムに入れ込み始め、仲間に引き込もうと家中の服を持って行き、そのせいでよりを戻そうとしていた佳苗と会えなかった。 「虫のいどころ」:同居している崇が、寄生虫で花粉症が治るという話を聞いて、サナダムシを飼おうと、ますずしを大量に食べたり、卵を取り寄せたりするようになった。気持ち悪いので、虫下し効果のある食品を密かに食べさせるのだが…。 オール讀物新人賞受賞作「虫のいどころ」を含む短編集。意外とおもしろかった。 |