太田忠司

僕の殺人      

僕の殺人 2017年4月23日(日)
 僕の前に小林という男が現れて、中沢祥子のことで話を聞きたいと言ってきた。中沢祥子は僕の母で作家、そして父雄一郎を階段から落として殺そうとし、その後首吊り自殺していた。父は意識不明のまま病院で寝たきりになっていて、僕は父の弟のもとで育てられた。当時の記憶を失っている僕に、小林は「君は一体誰なんだ?」と言った。挑発されて、僕は父の別荘に行き、そして父が母を殺してその後階段から転倒したのだと気づく。小林を探していた僕は、その死体を見つけてしまう。
 宮部みゆきを思わせる青春ミステリー。意外性があっておもしろかった。デビュー作が二十六年後に復刊されたそうだ。