太田愛

幻夏      

幻夏 2017年3月27日(火)
 十二歳の相馬亮介は、夏休み水沢尚と拓の兄弟と知り合うが、新学期の朝、尚が行方不明になった。私立探偵の鑓水七雄は、水沢香苗という女性から行方不明になった息子、尚の捜索を依頼される。いなくなったというのは二十三年前のことだった。刑事になって交通課に配属されている亮介は、少女の連れ去り事件の応援に駆り出され、その少女が連れ去られた現場で樹皮に刻まれた印を見つける。それは、二十三年前尚が最後に目撃された場所に残されていたものと同じだった。亮介は2つの事件の関連を疑うが、捜査本部は前科のある変質者を逮捕した。亮介と、友人である鑓水は、それぞれ過去の事件を探る。尚たちの父は、殺人事件の犯人として誤認逮捕されて刑を終え、出獄した後尚たちが住む近所で事故死していたことがわかる。
 「相棒」などの脚本を手がけてきた作家の、日本推理作家協会賞候補作。そう言われればテレビドラマっぽい感じもするが、おもしろかった。