大沼紀子

空ちゃんの幸せな食卓      

空ちゃんの幸せな食卓 2013年7月5日(金)
 「空ちゃんの幸せな食卓」:モコチンは継母で、私のことをソラマメ、お姉ちゃんのことは師匠と呼ぶ。パパは家を出ていた。お姉ちゃんが荒れるようになり、ある日家を出て行った。
 「ゆくとし くるとし」:一年ぶりに助産所の実家に帰ると、ミカさんというオカマがいた。私は大学へ行けなくなり留年の危機を抱えていた。そして、母は産みの親ではなかった。
 「僕らのパレード」:姉ちゃんは中学の入学式、僕の小学校入学式の朝、言葉を話さなくなった。母のミーナは次々と父ちゃんを連れてきて、僕は四番目の父ちゃんのよんちゃんの言葉を覚えていて、心の中でよんちゃんに呼びかけるとよんちゃんは答えを出してくれた。
 継母、継父、問題を抱えた姉とか、家族の設定はほぼ同じ。坊っちゃん文学賞大賞受賞作の「ゆくとし くるとし」はまとまっているしおもしろい。一番長い「僕らのパレード」はより深刻で、登場人物に広がりがあり、充実している。テレビドラマで見ていた「真夜中のパン屋さん」の原作者だ。