岡嶋二人

99%の誘拐      

99%の誘拐 2002年12月25日(水)
 この推理小説は吉川英治文学賞新人賞受賞作。推理小説といっても、最初から犯人の行動は明らかになっているし、犯人の動機となる過去の事件の事情も途中で察しがつく。これは、「犯罪小説」と呼んだほうがいい。この手の小説や映画は、どこかで犯罪が破綻して過去の事件を告発して、自殺するか逮捕されるかで終わるのが通例。この作品では含みを持たせているが、あまり好きではない。
 岡嶋二人はエラリー・クイーンと一緒で、二人の作家の合作のペンネーム。競馬もの、誘拐ものが多いようだが、社会的に現実にありうるという意味でのリアリティを重視しているようだ。