NEIL YOUNG

 

HARVEST
ON THE BEACH

 

HARVEST  (REPRISE:1972年)  2003年1月22日(水)

  1 Out On The Weekend
  2 Harvest
  3 A Man Needs A Maid
  4 Heart Of Gold
  5 Are You Ready For The Country
  6 Old Man
  7 There's A World
  8 Alabama
  9 The Needle And The Damage Done
 10 Words (Between The Lines Of Age)
 朝の冷たい空気を切り裂くような、凛とした雰囲気の「OUT OF THE WEEKEND」。大学1年の時大ヒットしていた「HEART OF GOLD」、黄金の心を探し続けて、そして年老いていく・・・。この2曲は、フォークギターとハーモニカのタイトなサウンドが魅力だ。「OLD MAN」と「THE NEEDLE AND THE DAMAGE DONE」はギターのプレイが絶妙。右手はピックを持って単純に上下しているだけのように見えるが、左指とのコンビネーションでベースラインとメロディーを弾き分けている。「ALABAMA」はアメリカの保守的な部分を批判した歌。変拍子の「WORDS(BETWEEN THE LINES OF AGE)」は、歌詞がどうしても意味不明だが、つたないギターがイライラさせて最後に炸裂する、元祖ヘタウマのニール・ヤングらしい感動的な曲。4年の時武道館コンサートへ行ったが、本当にかっこよかった。極端に繊細で極端にルース。わかるような気がする。

 

ON THE BEACH  (REPRISE RECORDS:1974年)  2005年6月12日(日)

  1 Walk On
  2 See The Sky About To Rain
  3 Revolution Blues
  4 For The Turnstiles
  5 Vampire Blues
  6 On The Beach
  7 Motion Pictures
  8 Ambulance Blues
 雨の季節になったのでこの1曲、山下達郎が番組で名曲と紹介していた「SEE THE SKY ABOUT TO RAIN」。
 JAMES TAYLORの「ONE MAN DOG」にも軽い違和感を覚えたが、このアルバムも「HARVEST」以来のうれしさと聴いてがっかりのギャップが大きかった。買った帰り西荻のロフトへ寄ってかけてもらったら、店の人も「HARVEST」のほが良かったと言っていた。
 全体的に演奏もヴォーカルも録音もラフで、それまでのタイトなサウンド、緊張感、ヴォーカルの若さといったものが感じられない。それもそのはずで、ほとんどの曲が、「HARVEST」の成功の後の虚脱感や嫌悪感を歌っている。エコーの効いた静かなエレクトリックピアノで始まる「SEE THE SKY ABOUT TO RAIN」は、「HEART OF GOLD」に対する返歌のようなもので、もう少しテンポを上げれば「孤独の旅路」の第2弾といった感じだ。「WALK ON」やタイトル曲「ON THE BEACH」にも成功の後の倦怠感が反映されている。「ON THE BEACH」のギターソロはとても美しい。
 それでも、こんなものと思って聴けば実は名曲揃いで、「REVOLUTION BLUES」では攻撃的なギターが聴かれるし、「FOR THE TURNSTILES」はバンジョーとドブロの泥臭い曲、「AMBULANCE BLUES」ではニール・ヤングらしいストロークプレイが聴ける。