中山七里

さよならドビュッシー      

さよならドビュッシー 2012年3月17日(土)
 香月遥は音楽科に進学が決まっていて、従妹でスマトラの津波で両親を亡くした片桐ルシアと一緒にピアノを習っている。ある夜、ルシアと祖父の離れに泊まっている時火災にあう。気がつくと病院で、全身の三分の一以上を大火傷し、顔も皮膚を移植して整形してあった。亡くなった祖父の遺言は、遥に十二億の遺産の半分を相続させるが、音楽教育と音楽活動にのみ供用するというものだった。退院して高校の音楽家に進学した遥は、コンクール出場とリハビリを兼ねて若い天才ピアニストのレッスンを受ける。しかし、危険な目にあう出来事が続き、ついには母が階段から落ちて死ぬ。ピアノを教えている岬洋介は殺人だと見抜いた。
 腰巻にある通りの大どんでん返し。 ヒロインの意外な性格のきつさから、半分は予想していたが。饒舌な演奏描写、佐々木丸美ばりの少女の感情。おもしろかった。このミステリーがすごい!大賞受賞作。