室井祐月 |
熱帯植物園 |
熱帯植物園 2004年1月6日(火) |
小説新潮の「読者による「性の小説」」に応募して入選した作品で、どの作品も中学生ぐらいの少女の性への幼いチャレンジが描かれている。 少女たちは、セックスは女の武器というか宝物なのだから、利用し味わいつくさなきゃと思っている。「砂漏」では、塾のクラス分け試験の問題を手に入れるため講師の相手をする。「屋上からずっと」では、いじめの対象になり、身体を差し出して逆に相手を奴隷にしようとする。 小説としては、「熱帯植物園」がいい。高校生由美はセックスフレンドもいるし、タバコも吸いアルコールも飲む。ある日由美という女が現れ、同じ名前はイヤだからリエにしろと言われる。父親の愛人だった。なぜか惹かれて部屋を訪ねるようになり、彼女の故郷の宮古島へ行くという夢を育てていく・・・。その後の展開やラストがおもしろい。 |