森谷明子

FOR RENT−空室あり−      

FOR RENT−空室あり− 2014年8月24日(日)
 便利屋兼運送屋を経営する城築圭子の若い彼は、以前会社の経理事務をしていた塚本淑生の息子だった。彼は、母親が亡くなる前「あたしが父親を殺したの」と何度も口にしたことが気になり、かつて住んでいた富士見町のアパートを訪ねることにした。久し振りに訪れた故郷に、よみがえる記憶もあったが、住んでいたはずの部屋に記憶はなかった。
 名前の明かされない彼は勘の鋭い少年で、行く先々でちょっとした謎解きを披露するが、これがじゃまでいやらしくて、いい感じがしない。タイトルにもたいして意味はないし、もう少しすっきりまとめられないものだろうかと思う。