宮ノ川顕

化身      

化身 2011年12月8日(木)
 「化身」:会社に休暇申請して熱帯の島へ行き、カブトムシを探して密林に入ると、隠れていた池に落ちてしまった。周囲が高い壁で囲まれて脱出できない。蟹や魚を捕まえて食べて生きているうち、身体が変化し始めた。
 「雷魚」:口裂け女の噂が広まっている頃、公園の小さな池で雷魚を見た康夫は、嘘つき呼ばわりを晴らすため、釣りに通っていた。ある日、池で村の人間ではない若い女の人と出会った。その後、村では口裂け女を見たという者が出てきた。
 「幸せという名のインコ」:娘の頼みでオカメインコを飼うようになった。バブル崩壊後、経済は停滞する一方で、残事務所の収入は減りつづけている。ハッピーと名づけたインコにどうしたらいいと話しかけていると、ある晩しわがれた声である名前をしゃべった。
 日本ホラー小説大賞受賞作である「化身」も進化論を思わせておもしろいことはおもしろいが、しんみりとした味わいのあるホラーミステリー の「雷魚」や、ラストにひねりのある「幸せという名のインコ」のほうがいいかもしれない。特に、株にのめり込むところなどは身につまされる。