宮島未奈

成瀬は天下を取りにいく      

成瀬は天下を取りにいく 2025年11月9日(日)
 「ありがとう西武大津店」:「島崎、わたしはこの夏を西武に捧げようと思う」、同じマンションで生まれ、幼稚園、小学校、中学校と一緒に過ごしてきた成瀬が言い出した。一ヶ月後に閉店する西武大津店に毎日通って、地元テレビ局の生中継に映るのだと言う。途中から島崎も付き合うことになる。「膳所から来ました」では二人で漫才コンビを作ってM−1グランプリに出ることになる。「階段は走らない」は一転、幼馴染のサラリーマン敬太と弁護士マサルの西武大津店をめぐる話になる。「線がつながる」では、島崎とは別の高校に入った成瀬が、初日坊主頭で現れる。部活はかるた班に入り、夏には東大のオープンキャンパスへ行く。成瀬は、突然突飛なことを始めて、何をやってもできるが、他人を寄せ付けない、というより人を意に介さない。
 おもしろい。痛快におもしろいと言ってもいいが、本棚に残そうとは思わない。漫画でもテレビドラマでもおもしろいと思うので、そちらでもいい。本屋大賞受賞の 大ベストセラー。