未須本有生

推定脅威      

推定脅威 2016年9月4日( 日)
 領空侵犯が疑われる航空機を追跡した自衛隊機が、速度を落とした侵入機を追って失速し墜落した。パイロットの操縦ミスとして処理されたが、開発した四星工業技術管理室の永田は疑問を抱き、配属されたばかりの沢本由佳に、元同僚だった倉崎に会って話を聞くように言われた。そして、再び侵入機を追跡した自衛隊機が突然燃料切れに見舞われエンジンが停止する事故が起こった。関係者を調査していくと、新型機の設計上の弱点を突かれている疑惑が浮かんできた。
 松本清張賞受賞作。自衛隊機のことがやたらとリアルに描かれていると思ったら、作者は東京大学工学部卒業後、航空機の設計に携わっていたらしい。