栗本薫

ぼくらの時代      

ぼくらの時代 2008年3月5日( 水)
 テレビ局の歌番組の収録中、アイドルあい光彦が歌っている最中、閉ざされたスタジオの中でファンの女高生が背中をナイフで刺されて死んだ。数週間後、同じテレビ局で女高生が撲殺されているのが発見された。死亡推定時刻は同じ歌番組の収録中で、殺された少女は最初に殺された少女の友人だった。アルバイトでスタジオにいた大学生の薫、信、ヤスヒコ、ロックバンドポーの一族のメンバーはアリバイを疑われ、逆に探偵に乗り出す。番組のディレクター原田も探偵宣言をする。殺された二人の友人二人も家出しており、あい光彦のマネージャー飯島が彼女たちに売春させていたことがわかってくる。
 かなり意外性のある結末だが、あまり驚かない、というか少し無理がある感じもする。作中、当時の長髪族というのが矢面に立たされたりするが、時代が実際より4、5年ずれている。今の時代、ローライズやピアスやガングロ、キンパツ、誰も何も言わない。時代が移り変わると、風俗を取り上げるのは弱いなと思う。1978年の江戸川乱歩賞受賞作。ちょうど社会人になった頃で、栗本薫(中島梓)はかなり注目されている作家だったが、なぜか読んでいなかった。