古処誠二

いくさの底      

いくさの底 2020年7月4日(土)
 第二次大戦中のビルマ。日本軍による制圧の後、重慶軍の侵入が見られるため、ヤムオイという村に警備隊が派兵された。隊長の賀川少尉はその村は二度目の任務で、村民とは旧知の仲だった。しかし村に入ったその夜、賀川少尉は何者かに首を斬られて死んだ。杉山准尉は、住民にはマラリヤにかかったと説明して、遺体を連隊に送った。連隊からは副官が派遣され、副官は聞き取りを始める。すると、今度は村長が同じように首を斬られて死んだ。副官はいったん連隊に戻り、何らかの調査をして帰ってきた。
 戦時下の日本軍に起こった事件を扱った、珍しいミステリー。 ミステリー的に言えば、誰が誰なのか、というパターン。そういう意味では、えっと驚く結末だ。日本推理作家協会賞受賞作。