霧舎巧

ドッペルゲンガー宮      

ドッペルゲンガー宮 2008年3月24日(月)
 大学の推理小説研究会に入ろうと研究室を探していた二本松翔は、《あかずの扉》と書かれたドアに手を伸ばした。そこは、《あかずの扉》研究会の部室だった。メンバーは、会長の後動悟、自称名探偵の鳴海雄一郎、どんな鍵でも開けてしまう大前田丈、霊能力者らしい森咲枝、感情がコロコロ入れ替わる由井広美。その《あかずの扉》研究会を、名門女子高の先生が訪ねてきた。一人の生徒が一年前に自宅へ戻ったまま帰って来ず、訪ねた際「たすけて」と書かれたメモを見つけたのだという。そして一年後、彼女の祖父氷室から推理イベントへの招待状が届いた。来訪すればその生徒と再会させるということだった。こうして《あかずの扉》研究会は、推理サークル《謎の部屋》を主催する氷室の住む《流氷館》へ向かう。そして殺人事件が起こり、研究会のメンバーは流氷館へ踏み込むが、そこには死体の他は誰もいず、携帯で連絡が取れた流氷館の人々はもう一つの流氷館にいた。
 館トリック、WHO'S WHOトリック、その他もろもろトリック満載。研究会のメンバーを紹介するためかもしれないが、枝葉のあれこれもすべてトリックだらけで、ワトソン役の翔もしゃべりすぎで、混乱してしまう。しかし、キャラクターがユニークで単純におもしろかった。