河合莞爾

デッドマン      

デッドマン 2014年11月27日(木)
 マンションで頭部を持ち去られた若い男性の死体が発見され、現場の状況から「ホシが欲しかったのはガイシャの命じゃなくて、ガイシャの頭だった」と発言した警視庁捜査第一課の刑事鏑木が特別捜査本部の本部長代行に任命された。チームはコンビを組んでいる入庁三年目の刑事おたくの姫野、鏑木と同期の正木、科警研でプロファイリングを担当している澤田の四人。その後、胴体、右腕、左腕、右肢、左脚が持ち去られる事件が連続して起こり、死体のあるバスタブには臓器保存液が入れられていた。…目覚めると女医がいて、頭だけ生き返ることができて、そこに別の胴体を接合した、四肢はまだ接合していないと言った。手術が終わってリハビリを始めた僕は、タブレットPCというものを教えられ、死体の一部が持ち去られる事件が起こっていることを知った。そして、デッドマンと名乗って警視庁へメールで知らせた。
 連続猟奇殺人事件の謎、そしてデッドマンの謎、ありえない事件だが、メールを手掛かりに解決へ向かう。 刑事たちのキャラクターがユニークだし、背景に広がりがあっておもしろかった。横溝正史ミステリ大賞受賞作。