景山民夫

遠い海から来たCOO      

遠い海から来たCOO 2007年2月12日(月)
 12歳の洋助は、海洋生物学者である父小畑徹朗とともに、フィジー諸島のパゴパゴ島に住んでいる。ある朝、ビチレブ島の学校へジェットスキーで向かう途中、イルカのブルーとホワイトチップに導かれて、珊瑚礁の潮だまりのようになった砂地で、全長五十センチぐらいの不思議な生物を発見した。それは、六千五百年前の大型水棲爬虫類プレシオザウルスだった。クーと鳴くこの生物に洋助はクーと名付け、クーが初めて目を開いた時見た洋助がクーの母親役となった。
 ある日、キャシーという水中写真家が訪れ、次の日には不審なゴムボートが現れて、核実験のためにプレシオザウルスの存在を闇に葬ろうとするフランス情報機関の攻撃が始まる。
 動物をめぐる海洋アドベンチャーというと、映画「イルカの日」なんかもある。グリーンピースのメンバーであるキャシーと徹朗、洋助親子が情報機関の攻撃を撃退したりするのは子供っぽい感じもするが、さわやかな海洋ファンタジーだった。直木賞受賞作。